「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年4月10日(日)

生乳取引制度 廃止狙う

規制改革会議提言 北海道補選争点に

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 政府の規制改革会議は8日、牛乳やバターの原料となる生乳の取引について、農協などが酪農家から生乳を集めて乳業メーカーに販売する現行制度の廃止を提言しました。環太平洋連携協定(TPP)を機に廃止をねらうものです。

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で「重要な提言をいただいた」「どのような制度の見直しが必要か、しっかり検討していきたい」と表明しました。

 これに対し道内のJA組合長は3月29日、現行制度の廃止に反対する決議を採択。12日告示の衆院北海道5区補選でも重要な争点に浮上しています。

 現行では、全国10の「指定生産者団体」となっているホクレン農業協同組合連合会など農協組織が酪農家から一括して生乳を集め、乳業メーカーとの交渉で販売量や価格が決められています。価格交渉力を強めてメーカーと対等に交渉できるようにして、輸送コストの削減や需給調整を行い、安定供給にも役割を果たしています。

 これに対し規制改革会議は、「経営判断で生産数量や販売ルートを選択できるようにする」ことで「酪農家の所得が向上する」という口実で現行制度の廃止を求めています。

 酪農家がばらばらになれば、メーカーによる支配が強まって過当競争や価格暴落が引き起こされ、所得向上どころか所得減や廃業に追い込まれることは必至です。TPP参加を機に学校給食などへの参入をねらう多国籍乳業メーカーなどの要求に応えるものです。

 農協組合長からは「生乳の指定団体制度はTPP以上にわれわれに直結したものであり、政府・自民党はどこまで踏みつけにするつもりか。TPPの国会審議も始まるなかで自民党に対する不満と怒りはますます強くなる」との声が上がっています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって