2016年4月10日(日)
甘利氏 厳正捜査・処罰を
政治資金オンブズマン告発
甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題で、市民団体「政治資金オンブズマン」の上脇博之共同代表(神戸学院大教授)らは8日、甘利氏と元秘書ら計3人について、あっせん利得処罰法違反や政治資金規正法違反の疑いで、東京地検に告発状を送付しました。
告発状によると、甘利氏らは2013〜15年、千葉県内の道路工事で都市再生機構(UR)と土地トラブルを抱えた建設会社「薩摩興業」の総務担当者、一色武氏から補償交渉に関する依頼を受けていました。その報酬として計1535万円を受領したとされます。
告発状は、最初の土地トラブルでURが薩摩興業に提示した補償額は当初、1600万円だった点を指摘。
別の補償では、甘利事務所の介入によって「金額は1億8000万円となり、さらに2億円となり、最終的に2億2000万円となった。この結果は、有力政治家の口利きが有効であることを如実に示す。あっせん利得処罰法が想定したとおりの犯罪である」とのべ、厳正な捜査と処罰を求めています。
また、甘利氏が代表を務める自民党支部の13年の収支報告書に、薩摩興業側からの寄付500万円を100万円と虚偽記載するなどした点も告発しています。
告発状は「甘利氏は閣僚を辞めたことで十分な社会的責任を果たしたなどと、ごまかしてはならない」と、厳しく批判しています。
甘利氏の金銭授受疑惑をめぐっては、法律家団体「社会文化法律センター」の弁護士らが3月、甘利氏と元公設第1秘書に対する告発状を提出しています。