2016年4月14日(木)
米生産 5県で82億円減少
TPP影響 各県が独自試算
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主食の米の生産に与える環太平洋連携協定(TPP)の影響について、青森、福井、滋賀、和歌山、熊本の5県が独自に試算しており、生産減少額が5県合計で82・2億円にのぼることが13日までに本紙の集計で分かりました。政府は、TPPによっても「国家貿易以外の輸入の増大は見込み難い」とし、米への影響額をゼロと見積もっています。政府試算の信頼性が問われます。
青森県は、輸入米の流通で県産米価格が下落すると予測し、県産米が輸入米価格まで下落した場合を想定。生産減少額を約23億円と算出しました。
福井県は、輸入米と競合する業務用米が輸入米価格まで下落し、競合しない銘柄米も業務用米の価格低下率の2分の1の割合で低下するとして、生産減少額を約15・2億円と算出しました。
滋賀県は、TPPによる特別輸入枠相当量の在庫増で、米価が4・7%下落するとし、生産減少額を18億円と見積もりました。
和歌山県は、価格が13・9%下落すると想定し、12・4億円減少と算出。熊本県も、業務用県産米価格の下落を想定し、13・6億円減少するとしました。
各県の独自試算は、政府の楽観的すぎる見通しと異なり、TPPの影響の深刻さを示しています。