2016年4月14日(木)
TPP特別委、審議再開へ
穀田氏会見 ごまかし許されない
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自民党の佐藤勉国対委員長は13日、民進党の安住淳国対委員長と会談し、野党側が求めてきた衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会の速やかな審議再開をめぐり、この間の議事運営について遺憾の意を表明しました。中断で持ちこしとなっていた野党の総括的質疑が15日に行われることになりました。
TPP特別委では、政府が国会に黒塗り資料を提出したことが大問題になるなか、8日の総括的質疑で、民進党が、西川公也委員長が出版を予定していた著書『TPPの真実』の校正刷りを示して説明を求めたのに対し、石原伸晃TPP担当相と西川氏が不公正、不誠実な答弁・対応に終始したために審議が中断する事態となっていました。
自民、民進の国対委員長会談を受けて、日本共産党の穀田恵二国対委員長が記者会見し、自民党側に速やかな審議再開を求めた野党側の姿勢について説明しました。
穀田氏は、TPP特別委設置時に、西川氏が中立公正かつ円満に委員会を運営・開催し、十分な資料を提出するよう政府・関係者を指導するとした合意事項を「しっかり守ることが必要だ」と強調しました。
その上で、8日の特別委員会で、大臣と委員長の態度に抗議して民進党が退席した後、西川氏が行った校正刷りの存在を事実上認める発言は、国会テレビに音声を拾われ国民周知の事実となっているとして「西川委員長は、校正刷りの存在を認めるべきだ」と述べました。
穀田氏はさらに、民進党が8日の審議で、校正刷りに関わって、内閣府が民進党に提出した文書が「具体的に執筆に協力した(内閣官房や農林水産省の)職員は確認されなかった」と記しているとただすと、文書の存在も知らないと石原氏が答弁していたと指摘。同じく中断後に、国会テレビが拾った石原氏の発言は「これ以上のことはいえない」「これでがんばるしかない」と述べていることをあげて、「実際は文書を知っていながら、ごまかそうとしていた態度であり、許されない」と厳しく批判しました。
最後に穀田氏は、一部メディアが、政府・与党が「TPP法案の成立先送り」を検討していると伝えていることをあげて、「政府は、審議を再開し、多くの国民の疑問に答えたうえで、TPPを断念すべきだ」と強調しました。
自民、民進の国対委員長会談では、20日に党首討論を行うことも合意しました。