2016年4月14日(木)
甘利氏側、URに情報源 補償交渉
業者側 “秘書に伝えた”
甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑をめぐって、都市再生機構(UR)職員も交渉相手の建設業者側から接待を受けていたことを13日、URが認めました。その見返りに得られたURの内部情報が甘利氏側に流れていたと『週刊文春』(4月21日号)が報じています。
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『週刊文春』報道
URは2人の職員が「県道千葉ニュータウン北環状線事業」に関連する補償交渉の過程で「S社元総務担当者」から飲食の提供を受けたと発表しました。接待した人物は、千葉県白井市の「薩摩興業」の総務担当だった一色武氏です。
『文春』によると一色氏は、2人のUR幹部社員をクラブやフィリピンパブなどで何度も接待して、「領収書やメモなどの証拠が残っているだけでも、およそ100万円を二人の接待に使っています」と証言しています。
千葉ニュータウンをめぐる薩摩興業側との交渉で「(関わっていた幹部社員が)たびたび内部情報を私に教えてくれました」と一色氏は証言。得た情報は、甘利氏の公設第1秘書だった清島健一氏に伝えて「UR本社との交渉を有利に運ぼうとしていた」といいます。
この証言が事実なら甘利氏側は、URの内部に事実上の情報源をもちつつ、薩摩興業側と密接に連携して交渉に関与していたことになります。
UR幹部社員は、『文春』の取材に対して接待を受けたことを認めています。
甘利氏本人や清島元秘書らは、これまでに明るみに出ているだけでも約1千万円の現金を薩摩興業側から受け取っています。
甘利氏の金銭授受疑惑は、8日に東京地検特捜部が強制捜査に着手し、UR千葉県業務部や薩摩興業、一色氏の自宅などに家宅捜査に入りました。清島元秘書や一色氏の事情聴取も行っているとみられます。
薩摩興業とURの主な補償交渉と甘利事務所をめぐる経過
2012年5月 道路予定地上の物件移転補償で1600万円支払い契約
2013年5月 薩摩興業の一色氏が補償交渉で甘利氏秘書に相談
6月 甘利氏秘書がUR本社を補償問題で訪問
8月 URが道路予定地外の物件移転補償で2億2000万円支払い契約
8月 一色氏が甘利氏の地元事務所を訪問、秘書が500万円受け取る
11月 一色氏が甘利氏の大臣室を「お礼」に訪問、50万円渡す
2014年2月 一色氏が甘利氏の地元事務所訪問、甘利氏に50万円渡す
2015年?月 URが薩摩興業の建物損傷補償で5100万円支払い契約
10月 議員会館の事務所で秘書が「少しイロをつけて」とUR職員と面談