2016年5月1日(日)
労働条件悪化の恐れ
辰巳氏 物流効率化法改定案に反対
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物流労働者の労働条件悪化を助長しかねない物流総合効率化法改定案が4月28日の参院国土交通委員会で、自民、公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の辰巳孝太郎議員は採決に先立つ質疑で、規制緩和によりトラック運転手が低賃金、長時間・過密労働を強いられている状況に触れ、「適正運賃が収受されない実態も深刻だ」と指摘しました。運転手に対し、適正運賃・料金や燃料高騰分の費用、高速道路料金の支払いがないなど、主に荷主に問題がある取引の実態が政府調査でも示されていると述べました。
国交省が荷主に是正措置を勧告する「荷主勧告制度」がある一方、警告書の発出がわずか2件、荷主名が公表される「荷主勧告」は0件(2014年度)だと指摘した辰巳氏は、「荷主の横暴を取り締まるための規制強化が必要だ」と強調しました。
辰巳氏は「トラック運転手の賃金を保障する『標準運賃制度』のような仕組みが必要ではないか」と提起。石井啓一国交相は「今後、官邸が主導するサービス産業の生産性向上および、下請け等中小企業の取引条件の改善に向けた議論とも連携しつつ、適正運賃の周知に向けた具体的方策の検討を進めたい」と答弁しました。
辰巳氏は、「運転手の安全面、健康や賃金に本格的にメスを入れない限り、日本の産業を支える物流の人材不足は解消されない」として、政府に実効性のある措置を求めました。