2016年5月12日(木)
三菱自、9車種も不正調査
燃費データ操作 当時の社長会見
三菱自動車は11日、軽自動車4車種の燃費試験データを不正操作した問題で国土交通省に追加報告しました。不正が問題となった4車種以外、現在販売している9車種についても調査中であることが分かりました。スポーツ用多目的車(SUV)「RVR」の燃費も机上計算で算出された疑いがあるとしました。
会見には不正を行った当時の社長、益子修会長も相川哲郎社長と出席。この問題をめぐり益子氏が会見に臨むのは初めて。益子氏は不正の現場責任と経営責任があるが、経営責任について「知らなかったでは責任のがれになる」と話しました。
三菱自によると、軽自動車4車種の調査について、(1)各年式変更車では、他の車の走行データから机上計算された(2)燃費目標は、新型競合車の燃費を強く意識し、現実的には達成が困難な目標値に5回引き上げられた(3)担当者らは、燃費が「商品性の一番の訴求ポイント」と認識し開発部門の管理職・役員からの燃費向上の要請を必要目標と感じていた(4)開発部門の管理職(複数)は、業務委託先とのコミュニケーションを十分に行っていなかった―など調査の経過を報告しました。
軽自動車開発を日産との合弁会社ですすめていることに関して、日産側からの関与がなかったかの質問に三菱自は「燃費目標に関与はない」と答えました。
三菱自は2000年と04年に大規模なリコール(回収・無償修理)隠し問題が発覚。02年にはトレーラーの構造的な欠陥からタイヤが脱落。母子死傷事故を起こしました。
益子氏は不祥事を受け「調べがいきつかなかった」「閉鎖的な社会のなかでしか仕事をしてこなかった」と会社の体質の問題にも触れました。