2016年5月15日(日)
核保有国の代弁者でなく被爆国政府にふさわしい態度を
志位委員長が訴え
広島市
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日本共産党の志位和夫委員長は14日、参院選での野党共闘の成功と日本共産党躍進をめざして広島市内で開かれた街頭演説で、オバマ米大統領の広島訪問(27日)に関し、米国の核政策の真剣な再検討を求めるとともに、日本政府の核兵器問題での姿勢を厳しく批判しました。
志位氏は、現職米大統領として初めてオバマ大統領が原爆被爆地・広島を訪問することになったのは「被爆者の方々、被爆地のみなさんが強く望んでいたことでもあり、重要な前向きの一歩です」としたうえで、「この一歩を『核兵器のない世界』につなげるためには、核兵器禁止条約の国際交渉を始めることが必要です。そうした方向にむけて核兵器政策の真剣な見直しに踏み出すことをオバマ大統領に強く求めたい」と語りました。
そのうえで志位氏は「日本政府の姿勢が問われていることを率直に指摘しなければなりません」として、二つの問題について指摘しました。
一つは、国連総会での日本政府の対応です。国連総会では、毎年、圧倒的多数で核兵器禁止条約の国際交渉開始を求める決議案が採択されています。ところが日本政府は、1996年の総会から昨年の総会に至るまで20年連続で「棄権」しています。志位氏は「アメリカの顔色をうかがってのこの態度は、被爆国の政府の態度としては、情けないかぎりではありませんか」と批判しました。
もう一つは、「核兵器のない世界」を実現するための「法的措置」を検討するためスイスのジュネーブで開かれている国連の作業部会での対応です。この部会は、大多数の国が核兵器禁止条約の必要性を強調する画期的会議となっていますが、核保有国5カ国がボイコットするもと、日本政府はこの会議で、核兵器禁止条約に背を向けて、「段階的アプローチが現実的」などと主張し、核兵器廃絶を永久に先送りする核保有国の代弁者というべき役割を果たしています。
志位氏は、「核兵器禁止条約の交渉を開始せよという訴えは、広島の『平和宣言』でも毎年世界に発信している被爆地の声でもあります。これを国連総会では『棄権』し、ジュネーブの会議では妨害する。この日本政府の態度を根本から改めることを求めます」と表明。「オバマ大統領の広島訪問は前向きの一歩ですが、それをぜひ『核兵器のない世界』につなげていこうではありませんか」と訴え、大きな拍手がおきました。