2016年5月25日(水)
課税逃れ防止に逆行
井上氏、3国租税条約反対
参院委承認
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参院外交防衛委員会は24日、日本とドイツ、チリ、インド各国との租税条約を自民、公明、民進、おおさか維新などの賛成で承認しました。日本共産党は、国際課税分野における日本の大企業優遇税制を拡大強化するものだとして反対しました。
採決に先立ち質問した日本共産党の井上哲士議員は、タックスヘイブン(租税回避地)を利用した大企業と大資産家の課税逃れを追及。「大企業は国内の税制で優遇されタックスヘイブンで課税逃れをしている。きちんと払わせれば消費税増税は必要ないという声と怒りが広がっている」とただしました。
岸田文雄外相は「課税逃れには、国際的に協調して対策を実施し税務当局間の情報交換を充実させることが大切だ」と答えました。
井上氏は、日本とケイマン諸島の間で2011年に情報交換協定が発効したが、日本からの直接投資残高と証券投資残高は、同年に約55兆円だったのが15年には10兆円も増加していると指摘し、より実効性ある対策を求めました。
井上氏は、課税逃れに対し、経済協力開発機構(OECD)の報告書「税源侵食と利益移転」(BEPS)は「グローバル企業は払うべき(価値が創造される)ところで税金を払うべき」だと提言していると指摘。「ドイツ、チリ、インドとの租税条約は、源泉地国での課税をさらに軽減や免除する考え方になっている。BEPSの考え方と逆行している」と批判しました。