2016年5月26日(木)
違法建築にUR補償
辰巳氏、甘利氏の関与に言及
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甘利明前経済再生相の金銭授受問題をめぐり、都市再生機構(UR)が、薩摩興業が不法占拠した資材置き場だけでなく、違法建築した同社の事務所に対しても必要のない補償を進めていたことがわかりました。24日の参院国土交通委員会で、日本共産党の辰巳孝太郎議員が明らかにしました。
問題の事務所は市街化調整区域にあり、開発許可や建築確認も受けていない違法物件でした。辰巳氏の質問に上西郁夫UR理事長は、2011年の物件調査で事務所が違法物件だと認識していたと認めました。
問題の事務所については、薩摩興業の施設内に道路ができるため、同社敷地内の別の場所に同事務所を再配置する費用として2億2000万円の補償契約がURとの間で結ばれました。しかし、予定地には産業廃棄物が埋まっていて再配置できず、敷地外移転の交渉が進められています。上西氏は「(敷地内での)再配置として補償契約したものを別の場所に移した事例は過去にない。今回は非常に特殊なケースだ」と認めました。
辰巳氏は、URは薩摩興業がまともな交渉相手ではないと認識しており、裁判に訴えることもできたが、甘利氏側が13年6月にUR本社を訪問した直後、薩摩興業が当初求めていた補償とは別の補償があるとしてURが弁護士抜きの当事者交渉を提案したことに言及。甘利氏の関与がURを補償ありきの交渉に傾かせていったのではと質問しました。
上西氏は、UR職員が薩摩興業側の接待を受けたのは「相手から強く誘われ、断ったら工事が円滑に進められなくなることから断れなかった」と認めました。