2016年5月30日(月)
復興と環境 両立せよ
高橋氏 蒲生干潟の開発問う
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日本共産党の高橋千鶴子議員は27日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、仙台市の災害復旧事業と自然環境保護の両立について質問し、復興基本方針に自然環境への配慮が明記されていないと指摘しました。高木毅復興相は「特段明記はしていない」と認めました。
宮城県七北田川河川災害復旧事業の計画では、高さ7・2メートルの防潮堤の一部が、国の鳥獣特別保護区域である蒲生(がもう)干潟にかかっています。同干潟は国の天然記念物のコクガンなど「渡り鳥の国際空港」ともいわれる自然の宝庫です。
工事の着手には鳥獣保護管理法に基づいて環境相の許可が必要。県はまだ申請を出していませんが、工事契約はすでに行っています。高橋氏に、環境省の亀澤玲治審議官は、鳥獣保護に支障があると認められれば、契約の有無にかかわらず、工事の取り消しや変更など「適切な対応がなされるべきだ」と答えました。
蒲生干潟の自然再生全体構想をまとめた自然再生協議会は、震災後に開かれなくなっています。高橋氏は、干潟が震災直後から徐々に再生しつつあると認識していたことを環境省に認めさせ、「再生のための協議会ではなかったのか。協議の場をもつなど、計画の柔軟な見直しも含め合意形成の努力をすべきだ」と求めました。