2016年6月2日(木)
政治資金疑惑の説明先送り
都議会 舛添知事が所信表明
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東京都の舛添要一知事は1日、同日開会の都議会第2回定例会で所信表明を行いました。舛添知事の高額海外出張、公用車の私的利用、政治資金の不正使用について、自ら事実を明らかにするかが注目されていましたが、海外出張費問題で航空機のファーストクラスやホテルのスイートルームは使わない、公用車は厳格な運用を徹底する、などと述べるにとどまりました。
舛添氏は、一連の疑惑について「都民、都議会に多大な迷惑を掛け、心からおわびする」と述べました。政治資金の私的流用疑惑については、弁護士による調査中で「今会議での審議に間に合うよう結果を公表し説明したい」と述べるだけで、具体的説明を先送りにしました。
舛添氏をめぐっては、海外出張費や公用車による別荘通いの問題に加え、私的な飲食費や家族の旅行費を政治資金から支出していた問題などが相次ぎ発覚。先月30日までに都庁に寄せられた苦情や批判の声は2万2000件に上ります。
日本共産党都議団は真相解明に向け、強い調査権限のある「百条委員会」の設置や、総務委員会での集中審議を提案しています。
共産党は、7日に代表質問、8日に一般質問が予定されています。都議会の会期は15日までの15日間。
百条委設置で全容解明を
大山党都議団幹事長がコメント
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日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は1日、同日行われた舛添要一知事の所信表明を受けて次のコメントを発表しました。
一連の公私混同問題について、具体的な事実を全く明らかにしませんでした。これでは、都民も私たち都議会議員も、到底納得できません。
公用車の私的利用にしろ、政治資金不正使用にしろ、次から次へと新たな疑惑が持ち上がっています。
都民は、知事が自ら公私混同、政治資金不正使用の全容を明らかにし、政治家としての政治的、道義的責任を取ることを求めているのです。
わが党は、本会議質問、知事出席の総務委員会での追及、さらには、百条委員会の設置で、舛添氏の疑惑を全面的に明らかにさせ、知事の辞職を求めていきます。
解説
疑惑の説明わずか3分間
舛添要一東京都知事の高額海外出張、公用車の私的利用、政治資金の不正使用疑惑を解明するのかどうか―。これが、1日開会した都議会第2回定例会の最大の焦点です。
舛添知事は1日の所信表明で、「すべて私の不徳の致すところ」などと述べましたが、約25分の演説のうち、一連の疑惑について説明した時間はわずか3分間でした。
海外出張では今後、航空機のファーストクラス、ホテルでのスイートルーム宿泊はやめるとか、公用車についても「厳格な運用を徹底」するなどとしただけで、都のルールを知事自ら逸脱していたことへの反省の弁はなく、事実も明らかにしませんでした。
疑惑が噴出している政治資金不正使用疑惑については、7日から始まる本会議に間に合うよう説明するとしただけで、議場からは抗議の声があがりました。
舛添知事の一連の疑惑に対し、2万2000件(5月30日時点)の抗議・意見が都に殺到しています。
舛添知事がいくら「私は24時間365日、都民のために働く」(5月27日の記者会見)といっても、各種世論調査でも圧倒的多数の都民は知事辞職を求めています。もはや都民から信頼を失った人物に、これ以上知事を任せることはできません。
知事の一連の疑惑を厳しく追及してきた日本共産党都議団(17人)は、7、8の両日に行われる本会議の代表・一般質問だけでなく、総務委員会にも知事を出席させて集中質疑を行い、強力な調査権を持つ百条委員会を設置することなど、疑惑を全面的に解明するよう議長と各会派に提案しています。
都議会各会派が都民の声にどう応えるのかが、問われています。
(岡部裕三)