2016年6月9日(木)
舛添東京都知事の公私混同疑惑
和泉都議の代表質問(要旨)
日本共産党の和泉なおみ東京都議が7日の都議会本会議代表質問で、舛添要一知事の公私混同疑惑を追及した質問(要旨)を紹介します。
条例上限超過が常態化
知事は、ほとんどの場合、先方からこういうクラスのホテルに泊まってくださいという申し出があるなどと述べました。しかし、ロシアのトムスク出張の際、先方からホテルをすすめられたことはありますが、その他の海外出張で、先方から申し出や要望があったことなどありません。それを「ほとんどの場合」と言うのは都民をあざむくものです。
知事は、随行職員が増えていることについて、たとえばパリ出張の場合、オリンピック担当、都市整備、美術館の担当など、どんどん増えるなどと述べています。
しかし、パリの随行職員19人のうち、オリンピック担当など事業局関係者は4人にすぎず、あとは、秘書業務や連絡調整、広報など、知事のおつきの人たちではないですか。北京出張では、大気汚染対策や医療、社会保障制度の協力、オリンピック・パラリンピックでの意見交換が目的とされていましたが、環境、医療、福祉、オリンピック関係の担当局幹部は一人も参加していません。
ホテル代について知事は、ルール通りにやってきたと言い張っています。しかし、知事の旅費条例の規定では、海外出張のホテル代の上限額は、ロンドンなどの大都市でも最高4万200円です。ところが知事は、ロンドンやパリでは、そのおよそ5倍、1泊20万円近い部屋に泊まるなど、条例上限額をはるかにこえるのが常態化しています。これは明白な条例違反です。
知事は当初、香港のトップが二流のホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょうなどと言って開き直りました。東京都の知事、トップが泊まるホテルは、一流でなくてはならない、などという傲慢な考え方は、断じて許されません。都民に対して謝罪すべきではありませんか。
自宅経由の分は返還を
都では、公用車を使用できるのは、出発または到着先が公務の場合とされています。私たちは公用車の「運転日誌」をつぶさに点検し、昨年4月から今年4月22日までの間に、知事が湯河原の別荘に向かった43回のうち38回は、いったん世田谷の自宅に帰宅し、その後、湯河原に向かっていることを確認しました。また、湯河原の別荘からの公用車使用では、6回中5回は、いったん世田谷の自宅に帰宅してから公務に向かっています。
少なくとも、いったん世田谷の自宅に帰宅した、合計43回分について、かかった経費を返還すべきです。
個人収入か事業収益か
知事が公務として講演を行ったのに、その講演料が主催者から直接知事の妻が代表取締役をつとめ、知事も役員をつとめている株式会社舛添政治経済研究所に振り込まれていることを、わが党は明らかにしました。
公務としての講演だけでなく、公用車を使った政務としての講演も合わせると、1年間で10回以上に及びます。知事の講演料は、1回あたり100万円前後が相場だと言われており、公務、政務の講演料だけで、1年間に1000万円にもなると見られます。これだけの額の講演料が、知事個人の収入なのか会社の事業収益なのかあいまいでは、都知事という立場と肩書を利用したビジネスではないかと言われても仕方ありません。知事の明確な説明を求めます。
家族旅行を会議と偽る
2013年1月3日と、14年1月2日に千葉のホテルに家族で宿泊した費用を、政治資金から会議費として支払った問題についてただします。
知事は5月の記者会見で「事務所関係者らと会議を行った」と説明しました。ところが調査報告書では「会社社長との面談」とされています。「事務所関係者らと会議を行った」という知事の説明は、虚偽だったのですね。はっきりお答えください。
調査報告書は、この問題については、全体として家族旅行と理解するほかなく、政治資金を用いたことが適切とは認められないとしています。
知事は、全体として家族旅行と理解するほかないものを、会議費だと偽って、政治資金を用いたことになります。知事、事実をお答えください。
知事になってつくられた泰山会の報告でも、法違反が疑われる問題があります。
その一つは世界堂での額縁などの購入に関してです。6日の発表でも、世界堂への支払い総額は200万円を超えていますが、どれだけの額縁を購入したのか、他に何を購入したのか明らかにされておらず、不透明さが浮き彫りになりました。
知事になった14年にも、世界堂に5回で39万円もの支払いがあったことが記載されていますが、添付された5枚の領収書には、ただし書き・支出目的が記載されず空白のままになっています。政治資金規正法では第11条で、報告書に添付する領収書には支出目的を明記することを定めています。これだけの量の額縁を一体何に使ったのですか。
事実明かし辞職せよ
知事は、疑惑に関わる全ての事実を明らかにし、速やかに辞職すべきです。
日本共産党都議団は、都政で「政治とカネ」の問題を繰り返さぬよう、疑惑の徹底解明のため百条委員会の設置を強く呼びかけるものです。