2016年6月11日(土)
主張
舛添知事資金疑惑
都民は居座りを絶対許さない
高額の海外出張問題に端を発し、公用車の私的使用問題や政治資金の不正使用疑惑などで追及を受けてきた東京都の舛添要一知事に対する、都民の怒りが収まりません。舛添知事は記者会見や都議会での発言で口では「反省」を繰り返しますが、肝心の事実関係と自らの責任については「第三者」の弁護士に依頼し、違法ではないなどの報告を得ていると繰り返すだけで、全く説明責任を果たしていません。都民の信頼を失いながら、その信頼を回復する手だてさえ尽くそうとしない舛添氏に知事にとどまることが許されないのは明らかです。
都政にとっての重大問題
舛添知事に公金の不正支出や公私混同などの疑惑が投げかけられた問題が、いずれも東京都政にとって見過ごしにできない大問題なのは明らかです。
一連の問題の端緒となった高額の海外出張問題は、舛添氏が知事に就任して以来の海外出張で、航空機のファーストクラスや高級ホテルの豪華客室などをたびたび使い、他県の知事とは比較にならないほど巨額の費用を費やしていたというもので、文字通り都民の税金を使った重大問題です。舛添知事もファーストクラスや豪華なスイートルームは今後使わないと言い出していますが、全容解明と責任の明確化が不可欠です。
都知事に使用が認められている公用車の私的使用問題も都政にとって重大問題です。もっぱら公用車を使って美術館回りをする一方、保育園や介護施設は一度も視察しないとか、毎週のように週末を神奈川県湯河原町の別荘で過ごして知事としての責任が果たせるのかという問題も浮上しました。今後は改めるとか別荘は今後売却するとか言ったことぐらいで済まされるものではありません。
舛添知事が「第三者」の弁護士に調べてもらい一部は不適切だが違法ではないとのお墨付きを得たように言う政治資金の不正使用問題も、法律に違反するかどうかだけでなく、政治家としての資質にかかわる重大問題であり、事実の徹底解明が不可欠です。
政治資金の不正使用が指摘されているのは、舛添氏が参院議員や「新党改革」の代表を務めていた時期から知事就任後まで長期にわたります。国会議員時代の舛添氏の政治資金はほとんどが税金で賄われる政党助成金が原資です。国民の税金を含む政治資金を、家族とのホテルの宿泊費や書籍、美術品などの購入に湯水のように使う公私の区別もつかない人物が、政治家としてふさわしくないのは明白です。
舛添氏には知事就任後も政治資金の不正使用が疑われています。そうである以上、舛添知事が都民の前に説明責任を果たし、責任を明確にするのは当然です。
与党の責任も問われる
舛添氏の一連の疑惑については、都議会の代表質問、一般質問で与党の自民、公明を含め各党から厳しい批判が相次ぎ、総務委員会で一問一答方式の集中審議を行うことも決まりました。日本共産党は地方自治法にもとづき虚偽の陳述への罰則など強い権限を持つ百条委員会の設置を求めています。
舛添知事の疑惑を解明し責任を明確にすることは都政の最重要課題です。都議会がその責任を果たすよう、与党も対応が厳しく問われます。