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2016年6月12日(日)

EU離脱支持 勢い戻す

英国民投票 有権者登録締め切る

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 【パリ=島崎桂】英国で10日午前0時、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の有権者登録が締め切られました。一部の世論調査では、これまで優勢だったEU残留支持に対し、離脱支持が勢いを取り戻しています。およそ10%とされる態度未定者の支持獲得に向け、残留派・離脱派間の論争は最終盤を迎えています。

 調査会社ORBが5日、電話アンケートを基に公表した世論調査では、残留支持が52%、離脱支持が40%と大差がつきました。一方で、インターネットを通じた複数の調査結果では、離脱支持が1〜5ポイント上回るなど、結果の予測は困難な状況となっています。

 いずれの調査でも10%前後の態度未定者が残る中、離脱派は移民問題を中心にEU批判を展開。残留派はEU離脱に伴う経済への悪影響を強調しています。

 7日、英ITV放送が報じた討論番組では、残留派を率いるキャメロン英首相と、離脱派の一角を担う英独立党(UKIP)のファラージュ党首が舌戦を繰り広げました。

 ファラージュ氏は、移民増加に伴う治安、雇用、財政の悪化に警鐘を鳴らし、国民投票は移民規制の「唯一の機会だ」と強調。対するキャメロン氏は、経済問題を主要課題としない離脱派を念頭に、「EU離脱の悲願達成のため、雇用と成長を犠牲にしている」と非難しました。

 全国民に無料または低額で医療を提供する国民保健サービス(NHS)の将来も争点の一つになっています。

 離脱派は、米国とEUが交渉を続ける環大西洋貿易投資連携協定(TTIP、米欧版TPP)に伴うNHSの民営化を懸念。EU離脱により民営化を阻み、EUに支払っている分担金をNHSに充当することで医師や看護師、医療施設の拡充を図るとしています。

 一方、英下院保健医療特別調査委員会のサラ・ウォラストン委員長(医師、与党・保守党議員)は最近になり、EU離脱に伴う経済悪化こそNHSの質低下を招くと主張。EU離脱は「利益よりも打撃」になるとして、離脱支持から残留支持に立場を変えました。

 英国内の世論が割れる中、国外では残留支持の傾向が顕著となっています。米調査機関ピュー・リサーチ・センターが7日公表した調査結果では、EU離脱を「悪いこと」とする回答がスウェーデンで89%、オランダで75%、ドイツで74%に達しました。

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