2016年6月16日(木)
舛添都知事 辞職
「政治とカネ」 世論と共産党の追及で
政治資金の不正支出疑惑などで批判を受けている東京都の舛添要一知事は15日午前、都議会の川井重勇議長に21日付で辞職願を提出し、同日夜の本会議で辞職が認められました。舛添知事は9月まで「時間をいただきたい」などと居座りの姿勢を示していましたが、全会派共同提出で不信任決議案が可決される見通しとなり、辞職を求める圧倒的な世論に追い詰められました。
一連の疑惑は、日本共産党都議団が4月7日、舛添知事の高額海外出張の実態を告発したことが発端で明らかになりました。公用車の私的使用問題、政治資金の不正支出疑惑も発覚しました。
共産党都議団は都議会で具体的事実を追及し、辞職を求めるとともに、6月13日に不信任決議案の提出を表明しました。他の野党会派も不信任決議を提案、自民、公明を含む全会派の共同提出につながりました。
2014年の都知事選で舛添知事を支援した自民、公明両党も世論に追い詰められて辞職を求めざるをえなくなりました。
15日の都議会本会議で共産党都議団は、疑惑の全容解明のため、強力な権限を持つ百条委員会の設置を求める動議を生活者ネットとともに提出しましたが、共産、生活者ネット、かがやけなどの賛成少数で否決されました。反対したのは自民、公明と民進系の2会派などで、真相解明に背を向けた責任が問われます。
舛添氏は、裏金受領問題で猪瀬直樹前知事が辞職したことによる14年2月の都知事選で初当選。2代続けて「政治とカネ」の問題で都知事が任期途中で辞職する前代未聞の事態となりました。
辞職に伴う知事選は議長の選挙管理委員会への通知後、50日以内に行われます。
問われる自公の「製造者責任」知事選は4野党・市民の枠組みで
舛添都知事の辞職 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は15日、党本部で記者会見し、舛添要一東京都知事が辞職願を提出したことについて記者団から問われ、「舛添知事の辞職は当然です。ただ、舛添氏を知事にかつぎだし、全面支援した自民党、公明党の『製造者責任』が厳しく問われます。さらに、甘利明前経済再生担当相の口利き疑惑を含む自民党の金権体質が厳しく問われます。わが党は、国政でも都政でも清潔で信頼できる政治への刷新を求めてたたかっていきたい」と表明しました。
志位氏は、都知事選挙について、「一地方の選挙にとどまらず、国政にも大きく影響を与えるものです。清潔で信頼できる都政に刷新するため、わが党は国政で進んでいる『4野党プラス市民』の枠組みを大切にして、ベストの候補者を擁立すべく努力したい」と述べました。
また、志位氏は「一連の政治とカネにかかわる問題については、企業・団体献金の問題、政党助成金の問題が腐敗をもたらす根っこにあることは明らかです。これをなくしていく努力を続けていきます」と述べました。