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2016年6月20日(月)

比「連邦国家移行」で一致

次期大統領と二大イスラム組織

武力紛争解決へ自治政府

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 フィリピンの二大イスラム組織は18日、憲法を改定して連邦国家に移行することでドゥテルテ次期大統領と一致したと明らかにしました。イスラム教徒が集中する南部ミンダナオ島に自治政府を設立し、政府との武力紛争を最終的に解決することを目指します。(面川誠)


 武装組織モロ・イスラム解放戦線(MILF)のムラド議長と、武装組織から政治組織に転換したモロ民族解放戦線(MNLF)のアロント議長が17日夜、ミンダナオ島ダバオでドゥテルテ氏と会談。18日、現地記者団に語りました。

 フィリピンは人口の93%がキリスト教徒。5%を占めるイスラム教徒の多くはミンダナオ島西部に住んでいます。

 ドゥテルテ氏は先の大統領選で、「スペインと米国による植民地支配は、キリスト教徒とイスラム教徒の『分割統治戦略』だった」と批判。「平等な連邦制実現こそがミンダナオ島の平和と繁栄をもたらす」として、就任(今月30日)から2年以内に連邦制を実現すると公約していました。

 ミンダナオ島では植民地時代からキリスト教徒の移住が進み、1960年代にイスラム教徒は少数派になります。70年に分離独立を目指すMNLFが結成され武装闘争に入りますが、96年に政府と和平合意を結び、「ミンダナオ・イスラム自治区」を統治する政治組織に転換しました。

 一方、和平に反対した勢力はMILFを結成して武装闘争を続けましたが、自治政府発足を目指す「枠組み合意」を2012年にアキノ現政権と調印しました。ただ、合意を実現するための法案が議会の賛成を得られず、自治政府発足は宙に浮いた状態です。

 MNLFとMILFは長年にわたって対立してきましたが、ドゥテルテ氏を交えた会談で連邦制実現のために協力し合うことを確認。MNLFのアロント議長は会談後、現地記者団に対し、「ミンダナオ島の紛争を終わらせ、多様性の中の統一を実現したい」と強調しました。

 アキノ現政権のコロマ大統領府報道官は18日、現地メディアのインタビューで「ドゥテルテ氏のイニシアチブを支援したい」と歓迎。一方で「安定と平和を実現するためには、多くの人々の支持を得られるステップが必要だ」と指摘しました。


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