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2016年6月26日(日)

なるほど!論戦ポイント

首相ごまかしの有効求人倍率 算出異なる統計で比較

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 安倍晋三首相は、アベノミクスの成果として「有効求人倍率が1倍以上を47の都道府県で達成した。これは高度経済成長期、あるいはバブル期にも達成できなかった」と繰り返しています。ここには大きなごまかしがあります。高度成長期やバブル期には安倍首相が挙げた統計そのものがなかったからです。

 安倍首相が「47の都道府県で1倍以上」と言うのは「就業地別」に集計した有効求人倍率です。厚労省が「参考指標」として公表しています。厚労省がこの数値をとっているのは2005年2月以降です。高度成長期の1960年代やバブル期の80年代末〜90年代初頭には就業地別の有効求人倍率を集計していません。

 このころあったのは今も基本統計になっている「受理地別」の有効求人倍率です。各地のハローワークが受理した求人票を都道府県ごとに集計して算出します。就業地別と受理地別では数値も異なります。安倍首相はまったく違う統計を無理やり比べて「高度成長期、バブル期に達成できなかった」と偽っているのです。

 ちなみに受理地別の4月の有効求人倍率では鹿児島県と沖縄県が1倍に達しておらず、「47都道府県で1倍以上」とはなりません。(山田俊英)


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