2016年7月29日(金)
被爆国の首都 ふさわしい知事は
非核都市宣言の鳥越さんこそ
小池候補=核武装 増田候補=原発推進
有力3氏がしのぎを削る大激戦となっている東京都知事選(31日投票)。被爆国の首都・東京の知事候補として、核兵器に対する態度も大きな争点となっています。野党統一候補の鳥越俊太郎氏は、「東京から非核都市宣言を」と述べ、他の2候補との違いが鮮明になっています。
鳥越氏は政策の中に「非核都市宣言を提案します」と明記。「日本は広島、長崎、そして福島と、3度にわたって核の被害を受けました。東京が非核平和都市宣言をできなくてどうするんだと言いたいですね」(本紙インタビュー)と述べています。
「核にはもう一つある。原発もいらない」と強調。25日の演説で、東京から250キロ圏内の原発の停止、廃炉を電力会社に申し入れることを公約しました。
また、鳥越氏は、立候補会見以来、憲法問題を重視し、「戦争は二度としない。そのために憲法9条を守ろう」と呼びかけています。
一方、「核武装もあり得る」という特異な立場に立っているのが、自民党前衆院議員で元防衛相の小池百合子候補。日本を戦争できる国にする憲法「改正」を一貫して主張してきた改憲タカ派です。
雑誌『Voice』(2003年3月号)での田久保忠衛・杏林大学名誉教授らとの対談で「軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる」と述べています。
原発については、福島第1原発事故が起きた11年、当時の菅直人首相が「脱原発依存」の考えを打ち出したのに対し、国会質問で「新成長戦略から原発を外すのか」「日本の原発は輸出に適さないのか」と迫った原発推進派でもあります。
自民党、公明党が推薦する増田寛也候補は、「国政と都政は峻別(しゅんべつ)すべきだ」(14日のテレビ討論)と、憲法や原発の問題で逃げ続けています。今月8日まで東京電力の社外取締役を務め、「安全が確認された原発は動かす」「新増設やリプレース(建て替え)を入れるべき」だという筋金入りの原発推進派です。
被爆者の悲願果たして
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ノーモア・ヒバクシャ訴訟原告団長・山本英典さん(83)の話 「非核都市宣言を行い、被爆国の首都として核兵器廃絶を世界に発信する」という鳥越さんの約束に、東京に住む被爆者として拍手喝采を送りたい。
実は1980年代に東友会は生協や地婦連などの市民団体とともに、東京都が非核都市宣言をしてほしいと署名運動をしました。
しかし、核武装論者の石原慎太郎氏らが、かたくなに拒否してきました。一方、東京の市区では、9割以上が非核都市宣言を上げています。
運動してから30年余、ぜひとも鳥越さんに知事になってもらい、われわれの悲願を果たして核兵器のない世界の実現の先頭に立って奮闘してほしい。