2016年8月3日(水)
原水爆禁止世界大会 国際会議
妨害はねのけ署名広げ核兵器廃絶の世論大きく
緒方副委員長の発言
2日、広島市で開かれた原水爆禁止2016年世界大会国際会議で、日本共産党の緒方靖夫副委員長(世界大会議長団)が発言しました。その要旨を紹介します。
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2月22日は歴史に残る日でした。その日、核兵器廃絶のための法的措置に関する国連総会オープンエンド作業部会が開始されただけでなく、日本被団協の藤森俊希氏が会議で演説をしたのです。続く5月には、同じく和田征子氏が「核兵器を禁止し、廃絶する条約締結をすべての国に求めます」と訴え、大きな拍手に包まれました。
この会議は、昨年12月の国連総会が採択した「核兵器のない世界を達成し維持するために妥結される必要のある具体的かつ効果的な法的措置」に「実質的に取り組む」とした決議に基づくものです。
ついに国連の舞台で核兵器廃絶の条約化にむけた議論が公式に開始されたのです。底流にあるのは広島、長崎が示す「核兵器の非人道性」です。原水爆禁止世界大会や被爆者の訴えが実に大きな役割を果たしています。
こうした過程で、核兵器廃絶をめぐる国際的な構図が明瞭になっています。核不拡散条約(NPT)加盟国の7割は核兵器の非人道性を強調し、禁止・廃絶のための法的枠組みをつくることに賛同している一方で、NPT体制の下で核兵器保有の特権を持つ5カ国、米国、ロシア、英国、フランス、中国(P5)は、共同歩調を強め、この流れに敵対する姿勢をいっそう強めています。
P5は「ステップ・バイ・ステップのアプローチが唯一実際的」、「世界の戦略的な安全保障に影響する」などと主張し、当面はおろか将来も核兵器廃絶に反対しています。「核兵器国の参加しない法的文書では核兵器廃絶はない」と作業部会参加国や運動を恫喝(どうかつ)しています。
オバマ米大統領の広島訪問が歓迎されたように、被爆地で被爆の現実を知っていただくことは特別の意義を持っています。しかし、世界の指導者の被爆地訪問について「侵略国なのに被害国のようにみえる」と強く反対する国があります。
これは間違っています。原爆投下により犠牲になったのは侵略者ではなく、国民であり、人類的災害でした。訪問を通じて、人類史上初の惨害を二度と起こしてはならないと促すのは当然です。
日本政府は、同作業部会の設置決議に棄権しながら、会議には参加し、P5の代弁者として議論を妨害し、“被爆国日本”を掲げて恥ずべき役柄を演じています。
妨害をはねのけ、核兵器廃絶の道を切り拓くために、本国際会議が提起している被団協の国際署名をひろげ、「核兵器を禁止し、廃絶する条約」を求める世論を大きく発展させましょう。