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2016年8月18日(木)

「核先制不使用に反対」の首相に

被爆者の怒り広がる

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 オバマ米大統領が検討している核兵器の先制不使用宣言について安倍晋三首相が「抑止力を弱める」として反対する意向を伝えたと米紙が報じたことに、被爆地から「被爆者の願いに背くもの」との怒りと批判の声が広がっています。


写真

(写真)被爆者の願いは「核兵器のない世界」の実現。写真は6日の早朝から原爆碑に手を合わせるひと=6日、広島市中区

 「今回、日本政府がいかに核抑止力、核の傘に頼っているかが暴露された。被爆国の首相にあるまじき姿勢を、被爆者として許すことはできない」と話すのは、広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長です。

 オバマ大統領の核先制不使用宣言について、「朝鮮半島などの緊張緩和に役立つ。東北アジアに非核地帯をつくる方向で、核兵器禁止条約をつくろうとの国際的な流れを広げるうえでも役に立つ」と指摘。「唯一の被爆国である日本こそが、そういう立場に立つべきなのに逆だ」として、核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」の大運動に全力を尽くしたいと表明しました。

演説と正反対

 安倍首相は9日、長崎市主催の平和式典で、「広島および長崎で起こった悲惨な経験を二度とくり返させてはならない」とあいさつをしました。「安倍首相は長崎で演説したことと、やっていることが正反対の“二枚舌”だ」と話すのは、長崎原爆被災者協議会の田中重光副会長(75)です。

 今回だけでなく、日本政府が国連総会で肝心の核兵器禁止条約を求める決議に棄権してきたことは、被爆国にあるまじきものだと批判する田中さん。次のように結びます。

 「被爆国の首相にもかかわらず、今回の安倍首相の行動は、はらわたが煮えくり返るような思いです。“抑止力”で戦争はなくせません。核兵器廃絶こそが被爆者の願いです」

 「今回の言明は容認できないし、怒りを表明したい」と語るのは、長崎の被爆3世で、シールズのメンバーだった林田光弘さんです。ヒバクシャ国際署名推進委員会事務局で、核保有国や日本のような核の傘に依存する国々の市民から数億規模で署名を集める活動のキャンペーンリーダーを務めます。

署名で圧力を

 林田さんは、「私たち日本の市民社会は、日本政府とは違って、オバマ氏の核兵器先制不使用宣言を歓迎していることを世界に発信する必要があります。ただ、『核兵器のない世界』を口にしたオバマ氏のプラハ演説から考えると先制不使用宣言は、その入り口でしかありません」。

 今後の抱負を語ります。「私たち市民社会もできることを継続したい。核兵器禁止条約を求める国内世論としてヒバクシャ国際署名を国内で圧倒的な数で集めて世界にアピールし、世界の世論から核の傘にある日本政府に圧力をかけていきたい」


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