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2016年8月19日(金)

今村復興相 東電株8000株保有

本紙指摘で「報告書」訂正

問われる閣僚の適格性

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 東京電力福島第1原発事故の対応に当たる責務を負う今村雅弘復興相(衆院比例九州)による東京電力株の保有をめぐって、資産報告書への株数の「記載漏れ」があったことが、本紙の調べでわかりました。東電株保有は、復興相としての適格性が問われます。(藤沢忠明)


図

 昨年3月23日付で衆院議長あてに報告し、同5月に公開された衆院議員の「資産等報告書」によると、今村氏は東電株8000株のほか、九州電力株4000株などを保有しています。

 今村氏は、初入閣の2日後にあたる今月5日の記者会見で東電株について、「ずっと前から持っていた。原発事故以後に買い増したことはない」などと説明しました。

 しかし、今村氏が衆院議長あてに提出している一連の「資産等報告書」「資産等補充報告書」を本紙が調べると、今村氏の説明に疑問が浮かび上がってきました。

 資産等報告書は、当選直後の資産を報告するもので、同補充報告書は資産の増減があった場合、年末時の資産を翌年4月末までに提出するものです。

 今村氏が2009年12月7日付で提出した「資産等報告書」によると、東電株を2000株保有。その後、10年4月28日付の「資産等補充報告書」で東電株を2000株、11年4月28日付の「資産等補充報告書」でさらに東電株2000株となっています。

 この時点で、今村氏は東電株を計6000株保有していたことになります。(図参照)

 13年3月25日付の「資産等報告書」によると、東電株は現在と同じ8000株となっています。この報告書は、12年12月の総選挙で当選後の資産を報告するもので、11年3月11日の原発事故後に、2000株を買い増していた可能性があります。

 今村氏の「原発事故後に買い増したことはない」という説明は事実に反するのでは―。

 本紙の文書による質問に後日答えた今村事務所は、「平成21年(09年)の総選挙後に提出した報告書の『2000株』は『4000株』の記載ミスだった」と説明、「原発事故後に買い増したことはない」としました。そのうえで、「報告書は訂正した」と答えました。

 同事務所は、「過去の資産報告を見直していたところ、記載漏れが見つかった」などといっていますが、本紙の指摘を受けて、6年以上もたって「訂正」した格好です。

 今村氏は、巨額の賠償・除染・廃炉費用などを電気料金の値上げという形で国民に負担を付け回す“東電救済”の仕組みをつくった「原子力損害賠償支援機構法案」の採決に賛成(11年8月)しています。

 東電株の保有をめぐっては、第3次安倍内閣で原発担当でもある宮沢洋一経済産業相が600株保有、国会で「経産相としての資格が問われる」と問題になりましたが、今村氏にもこの点が厳しく問われることになります。


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