2016年8月27日(土)
自然と生活破壊に憤り
「体に響く低周波」「サンゴは…」
沖縄 党国会議員調査団に高江住民訴え
米軍北部訓練場(沖縄県東村、国頭村)のヘリパッド=オスプレイパッド(着陸帯)建設工事が再開されて1カ月。18、19両日には、日本共産党の小池晃書記局長・参院議員と笠井亮、赤嶺政賢、本村伸子、斉藤和子、池内さおりの各衆院議員が現地を訪れ、工事の状況や住民の思いなどを聞きました。
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沖縄防衛局は7月22日、約2年間中断していた工事に着手。県道70号線を封鎖し、抗議行動に集まった市民らを機動隊約500人で暴力的に排除。「N1」表の抗議テントを撤去し、建設現場に至る進入路の整備工事を開始しました。
機動隊が「護送」
国頭村の採石場で砂利を積んだダンプ10台余りを、護衛のパトカーや機動隊のバス20〜30台が高江まで「護送」しています。この車列が渋滞を引き起こすことがしばしば。住民らは「大名行列」とか「護送船団方式」などと呼んでいます。
N1にダンプが何台入ったか、住民らが毎日記録しています。「ヘリパッドいらない住民の会」の宮城勝己さんは、小池さんらにノートを見せながら「7月25日から8月19日までに、10トンの車両が224台入った」と説明しました。
10トンダンプ10台分で約100メートルの道路ができるといいます。ゲートから着陸帯の建設地点まで約2キロ。その間の分の砂利は、ほぼ運び込んだと考えられます。
N1ゲートの中は米軍施設内で住民が立ち入ることはできません。工事がどこまで進んでいるのか、サンゴに影響を与える赤土が流出しないような工法になっているかなど、詳しい状況は明らかになっていません。
現地に詳しい土木技術者は「雨が降ってがけ崩れが起きると、赤土が宇嘉(うか)川から海に流れ、サンゴに大きな影響を与える。沖縄県には赤土流出防止条例がありますが、防衛局の工事のやり方は、条例に不適合になっているのではないか」と疑問を投げかけ、県に立ち入り調査をするよう求めていきたいと述べました。
10トン以上の車両通行を規制している新川ダム堰堤(えんてい)を工事車両が通ることも問題になっています。同氏は「10トントラック自体の重量は、9・8トンくらいあります。築堤40年以上たっていますから、コンクリートが非常に劣化している。そこに10トン以上が通ったら大変なことになる」と指摘しました。
高江では、2年前にN4が完成し米軍に提供されてから、オスプレイが頻繁に飛んで来るようになりました。
日本共産党の伊佐真次村議は「6月は、特にひどかった。3機編隊で、超低空で来るのでとてもひどい。午後10時半まで飛んでいた」と話します。
懇談では、住民らが「オスプレイの場合、低周波っていうんですかね、人間の体に響く。重圧感、内臓がどこか悪くなるくらいひどい」「昼より夜の方が多い。6月はひどかった。パイロットの顔が見えるくらい低空を飛ぶ」と、生活に影響を与えている様子を語りました。
希少生物への影響も深刻です。伊佐さんは、国際自然保護連合がノグチゲラを保護するよう二度にわたって勧告を出していることなどを紹介し、オスプレイを基準にした、きちんとしたアセスメント(環境影響評価)が必要だと語りました。
たたかいに連帯
小池さんは「住民のみなさんが、高江の貴重な自然環境と静かな暮らしを守るために粘り強くたたかってきたことが、日米両政府のたくらみを阻んできました。いま、追い詰められた安倍政権が暴力で襲いかかっていることは断じて許せません。『基地のない平和で静かな高江、沖縄』のために連帯してたたかい抜きます」と話しました。