2016年9月2日(金)
大企業内部留保 過去最高313兆円
賃金減 役員報酬・配当増
15年度法人企業統計
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財務省が1日発表した法人企業統計によると、大企業(資本金10億円以上)の2015年度の内部留保は前年度を13・5兆円上回る313兆円で史上最高額を更新しました。配当や役員報酬も前年度を上回ったものの、従業員1人当たりの賃金は減少。大企業がもうかれば家計に回るという安倍晋三政権のトリクルダウン政策の破たんを示しました。
法人企業統計は営利企業の実態などを把握するために財務省が企業の決算内容をまとめたもの。15年度の調査結果で大企業の経常利益は総額40・2兆円、当期純利益は26・2兆円といずれも史上最高額を更新しました。
従業員への賃金総額は前年度より増えたものの、1人当たり賃金は年間1・8万円減少の561・7万円。賃金の低い非正規労働者が増えたためとみられます。一方、役員報酬は総額(8600億円)でも1人当たり(1865万円)でも前年度を上回り、役員と従業員の格差は広がりました。
株主への配当金は前年度の1・4倍を超える17・3兆円。国税と地方税を合わせた法人3税負担額は前年度を200億円下回り、8・49兆円でした。