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2016年9月4日(日)

スペイン 依然政権不在

2回目の信任投票 ラホイ首相再任否決

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 スペインの下院(定数350)は2日、ラホイ氏の首相再任を問う2回目の信任投票を行い、8月末に行われた1回目の投票と同様に反対多数で否決しました。2015年12月の総選挙以来の政権不在が継続。今後も各党は政権樹立に向けた協議を進め、10月末までに新首相を選出できなければ、年末にこの1年で3回目となる総選挙が実施されることになります。(桑野白馬)


 スペインは30年以上、国民党と社会労働党が交代で政権を担ってきました。11年に首相に就任した国民党のラホイ氏は、財政立て直しを最優先し、付加価値税(日本の消費税に相当)の引き上げや医療・社会保障関連予算の削減・解雇規制の緩和などの緊縮政策を推進。国内経済に大打撃を与え、失業率は20%以上に達しました。

 13年にはラホイ政権に不正資金疑惑が発覚。緊縮政策と政治腐敗に対する国民の怒りが広がり、15年12月に行われた総選挙で与党・国民党は大幅に議席を減らし(186から123)ました。

 一方、野党第1党の社労党も後退(110から90)する中、格差是正を求める「5月15日運動」を母体として14年1月に結党したポデモスは反緊縮を掲げ、69議席に躍進。汚職の一掃をかかげた新興政党のシウダダノス(市民党)は40議席を獲得しました。

 いずれの政党も過半数(176)に至らず国民党のラホイ氏が組閣を目指し連立交渉に入りました。しかし、上位4党の政策面での隔たりは大きく、各党とも国民党との連立を拒否。ポデモスは左派政権の樹立に向けて社労党に連立を呼び掛けたものの、独立機運が高まる東部カタルーニャ州への対応の違いから同党は連立を拒否しました。

 16年1月に新国会が開会。ラホイ氏が組閣を断念し、国王フェリペ6世の要請で社労党のサンチェス書記長が組閣に着手しましたが失敗に終わりました。

 議会は再び解散、6月26日に出直し総選挙が実施されたものの、過半数を獲得した政党はなく、第1党・国民党のラホイ氏が暫定首相として再度、連立協議を主導しました。

 8月28日には、市民党が提出した汚職対策案などに取り組むことを条件に、国民党と市民党が首相任命投票で協力することで合意。しかし9月2日に行われたラホイ氏の首相任命投票では、社労党とポデモスが「国民党に代わる新たな政権が必要」との立場を崩さず反対。政権樹立に必要な賛成票は得られませんでした。


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