2016年9月16日(金)
石原氏「地下にコンクリ箱」
在任中の08年 豊洲土壌対策で
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東京都が築地市場の移転先とする豊洲新市場予定地(江東区)で、土壌汚染対策で行うとしていた盛り土を主要建物の地下で行っていなかった問題で、豊洲移転方針を決めた石原慎太郎知事(当時)が在任中の2008年に、予定地の地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かりました。今回の問題への石原氏の関与について、解明が求められます。
石原氏はこの問題が発覚してから、「(盛り土がないことは)聞いていない。僕はだまされていた」(13日の民放テレビ)などと責任逃れの発言を繰り返しています。
しかし、石原氏は専門家会議が土壌汚染対策を議論していた08年5月30日の記者会見で、インターネットで海洋工学の専門家が発言していたとして、「(汚染された)土を全部さらった後、コンクリートの箱を埋め込むことで、その上に市場のインフラ(基盤)を支える。その方がずっと安くて早く終わるんじゃないかということだった」と紹介。「当局が説明している方法だけではなく、もっと画期的な方法があるんじゃないか」と、工法変更への期待を表明していました。
都の専門家会議は同年7月、汚染土壌を深さ2メートルにわたり掘削し、厚さ4・5メートルの盛り土を行うよう提言。都は08年11月の技術会議で「地下空間を利用する案」を紹介しましたが、翌年2月の技術会議報告書には地下空間利用案は盛り込まれませんでした。
石原氏は、土壌汚染が発覚するたびに「びっくりした」「腰抜かした」などと言っていました。しかし、もともと豊洲移転計画自体、石原氏が01年に築地市場の現在地再整備を打ち切って決定したものです。今回、盛り土問題で「だまされていた」と発言していますが、石原氏の関与の解明や責任の有無が厳しく問われる事態となっています。