2016年9月16日(金)
米の空港労働者集会
最賃15ドル求める
実態は時給4ドル以下も
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【ワシントン=洞口昇幸】首都ワシントン近郊のレーガン空港やダレス空港(ともにバージニア州)で働く契約従業員らは14日、レーガン空港で最低賃金の時給15ドル(約1536円)までの引き上げを空港当局に求める集会を開き、「たたかおう!勝ち取ろう!」と声を上げました。その後、空港内を行進しました。
同集会の発表資料によると、2002年から12年までに空港の手荷物運搬係は25%から84%にまで外部委託が進み、平均賃金は45%減で時給10・60ドル(約1085円)。車いす案内係では、年間1万2000ドル(約123万円)しか得られない従業員がいると言います。
レーガン空港で手荷物運搬係として長年働くデイビッド・タッカーさん(74)は、午前3時半から午前11時まで週5日の勤務ですが、顧客からチップをもらうことを前提とした給与設定で、時給はわずか3・77ドル(約386円)です。
収入が不安定で妻がまだ働いてくれるから何とか生活ができると語るタッカーさんは、「全ての労働者が安定して生活できる賃金を得られるようにすべきだ。それは正当な主張だ」と強調しました。
ダレス空港の保安検査員として働くジョイス・ウッドさん(27)は時給9・25ドル(約947円)。これでは7歳の息子や母親を養えないと述べ、「仕事内容に見合う、生活に十分な報酬を受けていない」と訴えました。
12日には全米20州以上で、移民・人種差別などを許さない「社会正義」を求める行動と一体で、多くの市民・労働者が最低賃金引き上げを呼び掛けました。