2016年9月29日(木)
戦争法 暮らし・経済 TPP 沖縄米軍基地 改憲
暴走政治阻止 転換の道示す
南スーダンからの自衛隊撤退を
志位委員長が代表質問 衆院本会議
日本共産党の志位和夫委員長は28日の衆院本会議での代表質問で、国民に隠して進められる安保法制=戦争法の運用の危険を明らかにし、同法の発動中止、南スーダンPKO(国連平和維持活動)からの自衛隊撤退を要求。暮らしを応援し、経済を良くする具体的提案を示すとともに、環太平洋連携協定(TPP)、沖縄米軍基地、改憲などの問題で安倍暴走政治の転換を迫りました。
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安倍政権が戦争法を強行してから1年。政府は、南スーダンPKOに派兵する自衛隊に「駆け付け警護」など戦争法に基づく新任務付与を想定し、訓練を開始しましたが、武器使用基準などを定めた「部隊行動基準」も訓練内容も一切、明らかにしていません。
志位氏は、国民の理解を得ることなく戦争法を強行可決した上、運用まで「すべて国民に隠して事を進めるつもりか」と批判。内戦がいよいよ深刻となり、「PKO参加5原則」が総崩れとなっている南スーダンの実態を示して「『殺し、殺される』初めてのケースとなる深刻な危険がある」と指摘し、南スーダンからの自衛隊撤退、憲法9条に立った非軍事の人道・民生支援の抜本的強化へと転換するよう主張しました。
暮らし応援へ「三つのチェンジ」税金の集め方のチェンジ・10%への消費税増税は中止し、消費税に頼らない財源論へ ・「税金は負担能力に応じて」の原則に立った税制改革を 税金の使い方のチェンジ・社会保障の切り捨て計画を中止し、社会保障拡充路線に転換 ・月額3万円の給付奨学金を70万人の学生に支給する制度の創設、拡充 ・30万人分の認可保育所の緊急整備、保育士給与を月額5万円引き上げ 働き方のチェンジ・残業時間の上限を法律で規制する労働基準法改正 ・「サービス残業」根絶する罰則強化 ・「残業代ゼロ法案」の撤回 ・労働者派遣法の抜本改正 |
これに対し、安倍晋三首相は「PKO参加5原則は一貫して維持されている」などと強弁。自衛隊の新任務付与について、「現地の情勢や訓練の進捗(しんちょく)状況等を慎重に見極め、総合的に検討する」などと答えました。
さらに、志位氏は「アベノミクス」の破たんについてふれ、安倍政権が参院選直後に28兆円を超える大規模な「経済対策」を打つこと自体、「日本経済の悪化を自ら認めるもの」と指摘。国民の暮らしを応援し、経済を良くする「三つのチェンジ」を提案(別項)しました。
このなかで、残業時間の上限を法律で規制する労働基準法改正、「サービス残業」根絶のための罰則強化という二つの提案を行い、「労働者の命、健康、権利を守る本物の改革を」と主張しましたが、安倍首相はまともに答えず、「長時間労働の慣行を断ち切ることが必要」などと繰り返しました。
また、志位氏は、輸入米の価格(SBS価格)の偽装が発覚した問題を指摘し、「TPPによる影響の『政府試算』の前提が崩れた」と真相の徹底究明と「政府試算」の撤回を要求。しかし、安倍首相は「撤回の必要はない」などと強弁しました。
自民案「ベース」に憲法審査会で議論
首相認める
改憲問題では、志位氏が「『自民党改憲草案』を『ベース』に憲法審査会で議論するというのが自民党の方針か」とただしたのに対し、安倍首相は「憲法審査会で、自民党が草案として示したように、各党がそれぞれ考えを示して議論していくことが必要」などと述べ、憲法審査会で「自民党改憲草案」を「ベース」に議論するのが自民党の方針であることを事実上認めました。