2016年10月2日(日)
検証 政治とカネ
今村復興相 優良株で“財テク”
9銘柄6万株売却
8月の内閣改造にともなう新任閣僚らの資産公開で、今村雅弘復興相(衆院九州比例)が、昨年3月時点で保有していた株を9銘柄6万株以上、売却していたことが、本紙の調べでわかりました。国土交通政務官や衆院国土交通委員長などを歴任した典型的な「国交族」である今村氏は、これまでも日本航空、JR東日本など、職務と関係の深い大企業の“優良株”の売買を繰り返しており、地位を利用した“財テク”ではないか、との疑問の声があがっています。(藤沢忠明)
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1年半活発な取引
9月16日に公表された閣僚の資産公開によると、今村氏は、東京電力8000株、九州電力4000株など、9銘柄計4万1070株を保有しています。
同氏は2015年3月23日付で衆院議長に提出した「資産等報告書」によると、これら9銘柄を含め18銘柄計11万3570株を保有していました。
二つの報告書の間の期間で全日空、日本郵船、中越パルプ工業、日本電話施設(現NDS)、中外炉工業各1万株、新日鉄住金7350株など計6万4350株を売却しています(表参照)。
また、マツダ1万株↓2000株、JXホールディングス1070株↓1770株など、4銘柄で増減(2万4070株↓1万5920株)がありました。
今村氏は、約1年半のあいだに、計13銘柄、7万株以上の売買をしていたことになります。同氏の09年12月以降の資産等報告書、資産等補充報告書によると、20銘柄以上の売買が明らかになっています。(本紙8月29日付既報)
政治家が株保有すること自体は問題ではありませんが、国会議員、とりわけ与党議員、閣僚には、いろんな情報が集中するだけに、株の売買にはきびしい規制が必要です。
今村氏の事務所は、本紙の問い合わせに「政党の機関紙には回答していません」としました。
橘慶一郎副復興相も妻名義で東電株
今村氏が、原発事故の復興にあたる立場にありながら電力株を保有すること自体、問題ですが、新任閣僚らの資産公開によると、橘慶一郎副復興相(衆院富山3区)も妻名義で東電株を900株、保有していました。
金田法相は東北電力株
金田勝年法相(衆院秋田2区)は、東北電力株を妻名義で1万株保有していました。