2016年10月6日(木)
パリ協定批准の遅れ 政権に責任
穀田氏会見 早急に徹底審議を
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日本共産党の穀田恵二国対委員長は5日、国会内で記者会見し、地球温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」の発効を間近に控えながら、日本の批准が大幅に遅れていることについて、「自公政権が批准を後回しにしてきた姿勢に最大の問題がある」と指摘し、一刻も早く衆院で徹底審議を始めるべきだと述べました。
パリ協定は、米国、中国、インドに続き、欧州連合(EU)の欧州議会が4日に批准を承認。これにより協定発効の必要条件を満たし、11月上旬にも発効する見通し。同月7日にはモロッコで国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が開幕します。
安倍晋三首相は、5月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で協定の「早期批准」を世界に呼びかける宣言を取りまとめましたが、臨時国会の所信表明演説では協定に一言も触れず、承認案は国会に提出もされていません。
山本公一環境相は4日、「国会審議の場で荒技があってもいいのではないか」と述べ、翌5日には自民、公明両党幹部で衆院より先に参院で11月7日までに承認を目指すことを申し合わせています。
穀田氏は「批准が世界の大きな流れになったのを受けてあわててやっているのが実態だ。パリ協定の重要性や国会でそれにふさわしい議論を行うことさえ否定するような態度は許されない」と指摘。「最優先にすべきパリ協定の審議は後回しにし、衆院ではTPP(環太平洋連携協定)を優先させて、参院で先に進めておこうというやり方は言語道断だ」と批判しました。
そのうえで、「本来、条約や協定は衆院でまず審議を始めるのが国会運営の基本だ。政府は速やかに国会に承認案を提出し、温暖化対策で足を引っ張ってきた日本が世界に対してどのような役割と責任を果たすべきか、しっかり議論することが重要だ」と衆院から徹底審議の必要性を強調しました。