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2016年10月8日(土)

主張

閣僚の白紙領収書

制度ないがしろの責任は重大

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 日本共産党の小池晃書記局長が参院予算委員会で閣僚の「白紙領収書」問題を取り上げ、政治資金を規正する制度の根幹を破壊すると追及して、大きな反響を呼んでいます。稲田朋美防衛相、菅義偉官房長官、政治資金を所管する高市早苗総務相の3人で、自らの政治団体などが購入した政治資金集めのパーティー券代として「白紙」の領収書を受け取り、自分たちで記入して政治資金収支報告書に添付したというものです。領収書が正しいものでなければ実際に支出されたかわかりません。政治資金規正法の領収書徴収義務に違反する疑いがあります。

金額欄が同じ筆跡

 稲田防衛相の「白紙領収書」問題は「しんぶん赤旗」日曜版が8月14日号で、菅官房長官の「白紙領収書」問題は同じく10月9日号で暴露・追及したものです。小池議員はさらに高市氏の「白紙領収書」についても追及しました。

 稲田氏は資金管理団体「ともみ組」の2012年から14年分の政治資金収支報告書に自民党議員などの政治資金パーティーの会費を支払ったとして添付した領収書のうち約260枚、約520万円分が、別々の議員が発行した領収書なのに金額を書いた人物は同一とみられるものでした。筆跡鑑定では金額を書いた人物は「ともみ組」の収支報告書を書いた人物と同じとみられ、「白紙」の領収書を受け取り、あとで金額を書き込んだと稲田事務所は認めました。

 菅氏の場合も全く同様です。菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」が政治資金パーティー券代として政治資金収支報告書に添付した領収書のうち、同じ期間の約270枚、約1875万円分の金額欄が同じ筆跡でした。収支報告書にあった事務所関係者の筆跡と一致します。小池議員が取り上げた高市氏の場合も、同氏が代表の自民党支部が報告書に添付した約340枚、約990万円分の領収書で同様の問題があります。

 政治資金収支報告書は、政治家がカネの流れを公表して自らの政治活動について国民の点検を受ける重要な資料です。とりわけ国会議員関係の政治団体は収支報告に特例が設けられ、資金管理団体であれ政党支部であれ、人件費以外の支出には領収書を徴収することなどが求められます。違反すれば3年以下の禁錮などの重罪です。

 自民党議員同士の仲間内であってもパーティー券を購入して「白紙」の領収書を受け取り、金額を勝手に書いて報告書に添付して提出したのでは何の証明にもなりません。万が一、金額を多めに書いて浮かせた金を裏金に回しても証拠は残りません。現職閣僚を含む自民党内に「白紙領収書」がまかり通っているとすればそれこそ政治資金制度を破壊するものです。

言語道断な開き直り

 「しんぶん赤旗」の指摘や小池議員の追及に稲田氏や菅氏は事実を認めましたが、「白紙領収書」の発行は受付が混雑するからだなどと言い訳し、高市氏を含め法的に問題はないかのように開き直っています。金額などを後から書き込む「白紙領収書」が要件を満たさないのは常識であり、正確な記載を求める法律に反しています。

 「政治とカネ」の不正と疑惑を一掃するためにも閣僚らは政治資金規正法を厳しく守り、「白紙領収書」の悪習は断ち切るべきです。


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