2016年10月19日(水)
論戦ハイライト 衆院TPP特
輸入食品の検査体制ぜい弱
斉藤議員が追及 批准言う資格なし
18日の衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会では、日本共産党の斉藤和子議員が質問に立ちました。
斉藤議員は、7月の参院選での公約で、TPP協定の早期批准に触れなかった自民党の政治姿勢を追及しました。
斉藤 自民党は公約でTPPの早期批准を掲げたのか。
安倍晋三首相 公約でTPPの「活用」を掲げ支持を得た。承認されなければ活用できないのは誰が見ても分かる。
「承認は周知の事実。TPPをやらないと言って選挙に勝ったわけではない」と述べた安倍氏。斉藤氏は「国民に正面から信を問えないTPPの早期批准など絶対あり得ない」と強調しました。
約6割の食料を輸入に頼る日本。輸入食品の増加とは逆に、その検査率は減少傾向を示し、2015年には過去最低を記録しました。
食品の安全確保に向けて「一層の体制整備」(塩崎恭久厚労相)をいいながら、輸入食品の検査にあたる食品衛生監視員は全国で408人、16年の増員は2人という脆弱(ぜいじゃく)さです。
斉藤 輸入が増えている下で、今の輸入食品の検査体制、監視指導のままでいいのか。
首相 政府としてよく考えたい。
輸入食品の検査では、複数の手作業が必要になります。TPPによる輸入増が見込まれる下で、検査の現場では「TPPが怖い」との声が上がっています。「実際の現場を見たことがあるのか」と問う斉藤氏に対し安倍首相は「ございません」と冷淡に答えました。
斉藤 現場からは、3000人体制でなければ、輸入食品の安全性を確保できないとの声があがっている。食品衛生監視員を抜本的に増やすべきだ。
厚労相 人員が必要なことは間違いがないが、政府全体としての定員の問題などがある。
首相 輸入食品増に備えるのは当然だが、現在、大きな問題が出ているわけではない。
「問題はある」と斉藤氏が示したパネルには、残留農薬基準を違反する輸入食品が、国の検査結果が出る前に流通し、消費者に食べられている実態がずらりと記されていました。
安倍首相は「検査終了を待たずに国内流通を認める手法は諸外国で広く行われている」「健康に影響はない」と、基準違反の状況を公然と正当化。斉藤氏は「国が定めた残留農薬基準に違反している。本来出回ってはいけないものが出回り、消費者が食べている」と厳しく批判しました。
斉藤 輸入食品の監視体制強化に努めるというなら、検査結果が出るまで輸入を認めないという本来の検疫体制に戻すべきだ。
厚労相 今の体制は国際的に認められている。
斉藤 食の安全は守れない。輸入食品の増大につながるTPPの批准は許されない。
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