2016年10月30日(日)
今週の国会
TPP衆院通過めぐり緊迫
野党、十分な審議要求
与党は、環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案の今週中の衆院通過を狙っており、緊迫した局面を迎えます。
衆院TPP特別委員会は、31日午前に「知的財産、ISDS(投資家対国家紛争解決)条項等」をテーマにした参考人質疑を行い、午後に安倍晋三首相が出席する総括的集中質疑を行うことを決めています。野党は、TPP承認案の審議入りにあたって与野党理事間で確認した「合意事項」(4月5日)に基づいて地方・中央公聴会や参考人質疑を開き、国民の声を聴きながら十分な審議を引き続き行うよう主張しています。
与党は「(中央公聴会は)必ずしも必要ない」と難色を示し、28日の自公幹事長・国対委員長会談で「採決の時期が近付いているとの認識で一致した」(自民党の竹下亘国対委員長)などとして、11月1日の衆院通過で協定の自然成立を図る姿勢を崩していません。
日本共産党は、「徹底審議で、協定の全容と問題点を国民に明らかにすることが国会の責務だ」(志位和夫委員長)として、採決強行は認められないと主張。徹底審議を求め、野党と国民が力をあわせて廃案に追い込もうと呼びかけています。
一方、与党が衆院でのTPP承認案の審議を優先させるために、参院先議をごり押ししたパリ協定承認案は、28日に参院本会議で可決され、同日午後の衆院本会議で審議入りしています。2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みとなるパリ協定は11月4日に発効することが決まっており、TPPを優先し、パリ協定承認案の国会提出を遅らせた安倍政権の責任が厳しく問われます。
また、与党は今週の衆院本会議で、新たな給付削減策を盛り込んだ「年金カット法案」の審議入りも狙っており、与野党の重大な対決点になっています。