「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年10月31日(月)

パリ協定承認案について 島津議員の質問

衆院本会議

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党の島津幸広議員が28日の衆院本会議で、パリ協定承認案について行った質問(要旨)は次の通りです。


 パリ協定は、今世紀後半の温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にするために、先進国も途上国も参加し、法的拘束力をもつ、これまでにない取り決めとなりました。深刻化する温暖化への危機感を共有した世界の脱炭素化の流れに逆らい、批准が大幅に遅れた安倍政権の責任は極めて重大です。

 総理は臨時国会の所信表明演説でパリ協定に一言も触れず、最重要課題にTPP(環太平洋連携協定)をあげました。人類の生存の脅威となる地球温暖化対策より、米国や多国籍企業の利益を図るTPPを優先させる、パリ協定を重視していない姿勢のあらわれではありませんか。

 経団連はパリ協定の締結について、アメリカが合意しながら離脱した「京都議定書」の教訓を踏まえ、各国の対応を慎重に見極める必要があるとのべています。日本の経済・産業界からの主張に従って、日本の責任と役割を果たせなかったのではありませんか。

 世界5位の排出国、日本の目標は2030年度の削減目標を13年度比26%という極めて不十分なものです。COP22の決定に基づき20年までに削減目標を引き上げるべきです。

 現在国内で新増設が予定されている石炭火力は48基、合計2284・6万キロワット。すべて稼働すれば排出量が約1割増えます。石炭火力発電所の新増設は直ちに中止すべきです。

 東電・福島原発事故から5年半、いまだに事故原因の究明もされず、多くの被害者を苦しめながら、再稼働など許されません。ましてや、温暖化対策として再稼働をすすめるなどもってのほかです。

 パリ協定では、日本の提案で、石炭火力発電など、国内企業の環境技術を海外へ提供する見返りに、削減分を日本側に算入する「2国間クレジット制度」が認められました。どんなに高効率の石炭火力発電でも、LNG発電の2倍の温室効果ガスを排出します。これでは世界の温暖化対策に逆行するものといわざるをえません。国内での削減こそ、本腰を入れて取り組むべきです。

 政府は昨年11月「適応計画」を閣議決定していますが、すでに先進各国は「適応計画」を法制化しています。わが国も早急に法定計画を定め、温暖化による影響を最小限にする実効ある取り組みをすべきです。

 最後に、安倍政権は、深刻化する温暖化への危機感を共有し、パリ協定の合意と両立しないエネルギー基本計画を撤回すべきです。原発にも石炭火力にも依存しないエネルギー政策に転換すること、国際的にも立ち遅れている太陽光、風力などの再生可能エネルギーを4割に引き上げること、そして、世界5位の排出国日本としての野心的な削減目標で世界の温暖化対策に貢献すること強く求めます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって