2016年11月3日(木)
時短企業認定、返上
厚労省は取り消さず
電通
女性新入社員が昨年12月に過労自殺した電通は1日、「残業時間短縮」など子育てをしながら働きやすい職場である「子育てサポート企業」として厚労省から受けた認定(新くるみん認定)を返上すると同省東京労働局に申し出て、承認されました。
電通が認定を受けていたことは本紙10月26日付が初めて明らかにし、塩崎恭久厚生労働相が28日、「認定の取り消しをふくめて厳正に対処する」と表明していました。
電通は、この間の事態を重く受け止めたものだとしていますが、厚労省は認定を取り消さず、返上を承認したとしているだけで説明はまったくありません。
電通がなぜ認定を申請し、同相がなぜ認定を出したのかなど徹底究明が必要です。電通以外にも約2600社が認定を受けており、同制度の徹底検証が求められています。
同制度は、次世代育成支援法に基づき、「残業時間の削減」などに取り組み、「法令違反がない」ことを基準に厚労相が認定。電通は2007年、13年、15年と3度も認定を受けていました。電通は、2013年にも男性社員が過労死し、14〜15年にも違法な長時間労働で是正勧告を受けていたのに、厚労相は認定していました。