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2016年11月8日(火)

主張

山本農水相発言

閣僚として資格ないのは明白

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 環太平洋連携協定(TPP)承認案などを審議している衆院TPP特別委員会は先週、自民、公明の与党が審議を尽くさないまま「採決」を強行したため、週明けも審議が正常化していません。発端になったのは、山本有二農水相の発言問題です。行政府の閣僚でありながら「強行採決」をけしかけ、それが批判され「陳謝」したのに、再び発言は「冗談」だったなどとちゃかした山本氏に閣僚の資格はありません。山本氏の発言が問題になっていたのに、与党が本会議を押しのけて特別委の審議を強行し、採決したのは議会制民主主義を破壊する暴挙です。

陳謝した発言をちゃかす

 山本農水相は先月18日、佐藤勉衆院議運委員長のパーティーに出席し、TPP特別委員会で「強行採決するかどうかは佐藤委員長が決める。だからパーティーに駆けつけてきた」と発言、TPP承認案などの担当大臣の一人という立場で、事実上、三権分立の原則を踏みにじって「強行採決」をけしかけるというとんでもない発言を行いました。さすがに野党だけでなく大島理森衆院議長ら国会関係者や与党からも批判の声が上がり、山本氏も翌日には発言を「陳謝」し、「取り消し」を受け入れざるをえませんでした。

 閣僚としての任命権者である安倍晋三首相が、「自民党は強行採決を考えたことはない」などとごまかし発言を繰り返さなければならないほど、山本氏の発言は異常極まるものでした。

 ところが山本氏の問題発言はそれにとどまらず、特別委での審議が本格化していた今月1日、別の自民党議員のパーティーで、「冗談をいったら首になりそうになった」と発言したのです。自らが「陳謝」し「取り消し」た発言を、「冗談」だったなどとちゃかすのは言語道断です。山本氏の発言を批判した野党も、国会・与党の関係者も完全にばかにしたものです。日本共産党などが閣僚としての資質を批判したのは当然です。

 しかも山本氏は同じパーティーで、出席した農協関係者などに向かって、「明日にでも(パーティーを開いた)議員の紹介で農林省に来てもらえればいいことがあるかもしれない」とも発言しています。文字通り露骨な利益供与を示唆したものであり、山本氏には閣僚など公職者としての資格がないことはいよいよ明らかです。

 野党から辞任要求を突き付けられるまでもなく、山本氏は自ら閣僚を辞任すべきであり、山本氏が自ら辞任しないなら、安倍首相が辞めさせることが、閣僚の任命権者としての責任です。

山本氏かばう責任は重大

 ところが、安倍政権と与党は「辞任するほどの問題ではない」(菅義偉官房長官)と言い逃れたあげく、先週、議運委などで各党の話し合いが続いているさなかに、本会議を押しのけてTPP特別委を委員長の職権で開会し、賛成派だけで採決を強行したのです。まず閣僚としての資質が問われた山本氏の発言問題に回答するのが先決であり、そのうえで「採決」は元に戻し徹底審議すべきです。

 暴言を繰り返しても「冗談」で済まされるなら国民は閣僚を信用できません。閣僚の資質にかかわる発言を繰り返す山本氏を不問ですますことは、民主主義のために絶対許されません。


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