2016年11月9日(水)
電通への「くるみん」認定
学生・求職者への背信
倉林氏が追及
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日本共産党の倉林明子議員は8日の参院厚生労働委員会で、女性新入社員を過労自殺に追い込んだ電通を「子育てサポート企業」と厚労省が認定(くるみん認定)した問題を取り上げ、「ブラックな実態を隠してホワイト企業に化けさせることを“おしろい企業”だという。おしろいをしていたのが厚労省とはもってのほかだ。学生・求職者への背信行為だ」とただしました。
厚労省は、2007年、13年、15年と電通をくるみん認定しました。1日に電通から認定辞退の申し出があり失効となっています。倉林氏は、電通では2013年にも過労自殺があり、14年、15年と繰り返し長時間労働の是正勧告を受けていたと述べ、「電通のような悪質企業を認定したことが大きな間違い」と批判。塩崎恭久厚労相は「認定をしたが、今回の事態になり大変遺憾」と認めました。
倉林氏は、より高い基準の「プラチナくるみん」認定を受けている大企業の残業時間協定を見ると、アサヒビール90時間、伊藤忠100時間、武田薬品120時間となっているとして「少なくとも、過労死ラインを超える残業時間協定を結んでいる企業に対する認定は取り消すべきだ」と求めました。
倉林氏は、厚労省による監督指導結果を示し、長時間労働が疑われる8530社のうち6501事業場で法令違反があり、時間外労働が月100時間を超える労働者がいた事業場は2860もあったと指摘。「間違った認定は防ぐべきだ」と追及しました。
塩崎厚労相は「くるみん認定が実態をすべて押さえていないとの指摘を踏まえ、より適切な基準をつくりたい。ご指摘を真摯(しんし)に受け止めたい」と答弁しました。