2016年11月11日(金)
米国はTPP年内批准せず
共和党上院トップ明言
専門家“歴史のごみ箱に入った”
【ワシントン=島田峰隆】米共和党のマコネル上院院内総務は9日、次期大統領が就任する来年1月20日までの期間に米議会が環太平洋連携協定(TPP)を批准する可能性について問われ、「それはない」と否定しました。ワシントンでの記者会見で語りました。
8日の大統領選挙で当選した共和党のドナルド・トランプ氏はTPPに反対し、就任初日に離脱すると公約しています。ワシントンにあるシンクタンク(研究所)の専門家はロイター通信に「TPPは歴史のごみ箱に入ったと言える。米国が加わる道筋が見えない」と述べました。
マコネル氏は「年内の議会で取り上げることはまずない」と強調。「次期大統領は現在の協定に賛成しないことをかなり明確にしている」と述べました。
トランプ氏の政策アドバイザーは7日、米誌『フォーリン・ポリシー』に寄稿し、「トランプ氏は決して、TPPを通すことによって米国経済を犠牲にすることはしない。こうした協定は製造業の基盤や、米国とその同盟国を守る能力を弱めるだけだ」と改めて反対姿勢を強調しました。
TPPの発効を政権の遺産としたいオバマ大統領は、大統領選が終わってから次期大統領が就任するまでの期間にTPPを批准するよう議会に要請しています。