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2016年11月30日(水)

国会会期延長に対する塩川議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の塩川鉄也議員が29日の衆院本会議で行った、国会会期延長に対する反対討論(要旨)は次の通りです。

 政府・与党は、会期延長でTPP(環太平洋連携協定)承認案と関連法案、「年金カット法案」を今国会で成立させると述べました。悪法を通すための会期延長は断じて認められません。

 TPPは関税撤廃を原則としており、日本の農林水産業に壊滅的打撃を与え、農産物重要5項目を守るという国会決議に真っ向から反します。“非関税障壁を除外する”として食の安全や医療・医薬品分野、保険・共済事業、雇用も脅かし、多国籍企業や投資家が投資先の政府を訴えることができるISDS(投資家対国家紛争解決)条項が盛り込まれています。さらにTPP委員会などによって関税と非関税障壁撤廃の議論が歯止めなく行われる仕組みです。

 まさにTPPは、国民のくらしや命よりも多国籍企業の利益のために日本の経済主権、食料主権を脅かすものであることは国会審議で明らかであり、廃案にするべきです。

 安倍政権は、トランプ次期米大統領がTPPからの「離脱」を明言した今もなお、TPP承認手続きを会期延長で進めようとしています。これは意味がないどころか、極めて危険で有害な行為です。

 重大なことは、安倍首相がTPP承認によって「日本はTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという国家の意思を示す」と答弁していることです。TPPで譲歩した線を最低基準とし、そこまでは米国などの要求を受け入れると宣言したに等しく、これをテコに米国からいっそうの譲歩を迫られることは必至です。

 トランプ氏が、米国第一主義で2国間協議を進めると明言しているもとで、TPP協定の国会承認を思いとどまることは、今後、米国の理不尽な市場開放と規制撤廃要求を拒む足場となります。

 「年金カット法案」で、物価・賃金スライドとマクロ経済スライドが見直され、際限なく年金が削減されることになります。現役世代も将来の年金水準は低下し、若い世代ほど削減されます。高齢者の生活を圧迫し、若者の将来不安を拡大するものです。

 今国会で、政府・与党による「強行採決」発言が相次ぎ、その言葉通りに強行採決が行われた国会となったことは極めて重大です。国会の権威を損ねる深刻な事態だと言わざるを得ません。

 「年金カット法案」は、わずかな時間の審議で強行採決されました。参考人質疑を行ったその日に強行採決したことは、国民の声に耳を貸さない態度を示すものであり、言語道断です。

 その上、会期延長に乗じて、カジノ法案や「部落差別」永久化法案を党利党略で強行することは断じて容認できません。

 数の暴力によって議会制民主主義を壊すやり方を繰り返せば、必ず国民の厳しい審判を受けることになります。いまなすべきことは、このような暴挙を重ねた国会は閉じて、TPP承認案と関連法案、そして「年金カット法案」などの悪法を廃案にすることです。


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