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2016年12月2日(金)

論戦ハイライト

危険 アルミ食品添加物 規制緩和 米国が押しつけ

参院TPP特 吉良議員が追及

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 日本共産党の吉良よし子議員は、1日の参院TPP(環太平洋連携協定)特別委員会で、米国が危険なアルミニウム食品添加物の規制緩和を日本に押し付けようとしていることを明らかにして、「TPPのために子どもの健康、食の安全を米国に差し出すなど許されない」と批判しました。


写真

(写真)パネルを示して質問する吉良よし子議員=1日、参院TPP特委

TPPに健康・食の安全差し出すのか

強い毒性

 アルミ添加物は、菓子パンなどに使われていますが、毒性が強く、ラットを用いた実験では腎臓やぼうこうへの影響、握力低下などが認められています。

 吉良氏は、そもそも日本に使用基準がないことを批判。そのうえで、TPPの大筋合意に先立って日米両政府が確認したサイドレター(交換文書)では、「原則としておおむね1年以内に食品添加物として認めることを完了することを決定した2012年7月10日付の閣議決定を誠実に実施することを確認する」として、日本では使用が認められていないアルミ添加物4品目の解禁を約束していると指摘。次のようにただしました。

 吉良 なぜ、米国の要求を日本がのまなければならないのか。

 塩崎恭久厚労相 (交換文書は)閣議決定を誠実に実施することを確認したもので、新たな取り組みを約束したものではない。

 開き直る厚労相に対し、吉良氏は「12年の閣議決定そのものが米国からの要望で進められたものだ」と指摘。「国際汎用添加物」(国際的に広く使用されている)などという枠をつくり、日本が食品添加物の規制を次々と緩和してきた経緯を紹介しました。

 1982年の第3回日米通商実務者協議では、日本が使用を認めてこなかった食品添加物128品目の解禁が求められ、翌年11品目を解禁しています。さらに、2002年には、米国などの大使館の圧力を受け、日本で認められてこなかった食品添加物「フェロシアン化物」を大臣職権で解禁しています。

 吉良氏の追及に、厚労相は「日本は科学的に判断して(アルミ添加物の)扱いを決める」としか答えられませんでした。

追加要求

 さらに、吉良氏は、米国通商代表部の「2016年外国貿易障壁報告書」でも、「日本は迅速化された認可プロセスに従わなければならない」などとして、アルミ添加物4品目の認可を迫っていることを指摘。さらに、日本の食品添加物規制を広く問題視していることも示し、次のようにただしました。

 吉良 今後、さらに2国間協議で(米国から)食品添加物の規制緩和要求が強まってくるのではないか。

 厚労相 食の安全を守るために、日本の独自基準を守ることに変わりない。

 吉良氏は、大臣の答弁を受け、食品添加物を増やすこと自体が食の安全を脅かすことだと反論。さらに、トランプ次期米大統領がTPP離脱を表明するなか、安倍晋三首相が「日本はTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意がある」などと述べていることを指摘し、「TPPをいまの国会で承認し、米国にTPPに戻るよう懇願し続ければ、さらに米国の要求をのまされ、国益と経済主権を自ら差し出すことになる」と批判しました。

 安倍首相は「TPPは、しっかりとした(貿易)ルールをつくることが大きなポイントだ」というだけ。吉良氏は「グローバル化が進むいま、多国籍企業の横暴から子どもの健康や国民の命・安全を守るルールこそ必要だ」として、TPP承認案の廃案を求めました。


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