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2016年12月3日(土)

承認は危険、皆保険崩壊も

参院TPP特 参考人の反対相次ぐ

大門氏質問

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(写真)参考人に質問する大門実紀史議員(右)=2日、参院TPP特委

 参院TPP(環太平洋連携協定)特別委員会は2日、参考人質疑を行いました。参考人からはTPPの承認に反対を表明する意見が相次ぎました。

 東京大学の醍醐聰名誉教授は、国会承認は譲歩の国際公約となるとして、「発効が見込めないTPP協定を国会で承認するのは無意味にとどまらず、危険な行為だ」と指摘。TPPには、関税撤廃に向けた片道切符となる「継続協議の約束」が明記されていることをあげ、「再協議には応じない」という政府の言い訳を「すり替えだ」と批判しました。

 北海道がんセンターの西尾正道名誉院長は、日本の医療市場の開放を迫る米国の最後の仕上げがTPPだと指摘。患者負担の増大、民間医療保険の拡大などで、「国民皆保険は実質的に崩壊する」と述べました。また、TPPによって遺伝子組み換え作物などの食品流通が増え、国民の健康被害が高まることを指摘。「お金よりも、命を大切にする発想に切り替えるべきだ」と述べました。

 日本共産党の大門実紀史議員は、トランプ米次期大統領がTPP離脱を表明するもとで、日本がTPP承認に前のめりになる危険について質問。西尾氏は「TPPは国を売るようなもの。他の国がどう動くかを見てからでも遅くない」と述べました。

 また、大門氏は、米韓FTA(自由貿易協定)を例に、米国に有利な2国間協議が進められる危険性を指摘して、見解を求めました。醍醐氏は、ISDS(投資家対国家紛争解決)条項を使って市場開放を迫る米国企業のやり方に触れ、「こういう装置があることが強力な圧力になってくる」と述べました。


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