2017年1月13日(金)
プリントパック“逆ギレ”
「ブラック企業業界賞」受賞 労組委員長に「呼出状」
全印総連など抗議文
印刷通販会社プリントパック(本社・京都府向日市)が、長時間労働や労働組合役員に対する賃金差別で「ブラック企業大賞2016業界賞」を受けたことについて、組合分会長に就業規則違反の疑いをかけ、「出頭」を指示したことが分かりました。全国印刷出版産業労働組合総連合会(全印総連)京都地連とユニオン京は12日、同社に対して抗議文を送りました。
出頭命令を受けたのは、全印総連ユニオン京・プリントパック京都分会の中山悠平分会長。会社は11日、中山分会長に「呼出状」を出し、受賞について「信用・名誉が大きく傷つけられ営業成績にも負の影響が出ています」「受賞するよう貴殿が関与する働きかけがあったのではないか」などと言いがかりをつけています。刑事訴訟法などで使われる「出頭」という言葉で19日に会議室へ来るよう指示し、従わなければ疑念を認めたものとして対応すると脅しています。
組合の抗議文は、「事実無根の疑いから出頭を命じた行為は、労働組合員であることを理由に攻撃・脅迫する違法な不当労働行為です」と批判。出頭拒否を表明しています。
組合は、昼夜2交代制による1シフト12時間の長時間労働や時間通りに残業代を支払わない「固定残業代」問題などを告発し、人間らしく働ける労働条件を要求。会社は、中山さんら組合役員2人への賃金差別を行い、昨年7月、京都府労働委員会から不当労働行為だと認定されました。
こうした事実を踏まえ、弁護士やジャーナリスト、大学教授などでつくるブラック企業大賞企画委員会が同社を「業界賞」に決めています。
本紙が12日、会社に問い合わせたところ、「担当者が外出中」という回答でした。