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2017年1月27日(金)

“自国第一”横行を懸念

「米中どちらか選ばない」 態度鮮明

ASEAN各国

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の首脳らが、トランプ米大統領の唱えるような“自国第一”政策は、米中関係の緊張と地域の不安定をもたらすとの懸念を表明しています。首脳らは「米国と中国のどちらか一方を選ぶことはない」との態度を鮮明にし、ASEANが地域安定のために果たす役割を強調しています。 (面川誠)


 欧米や日本など主要資本主義国で“自国第一”の流れが強まっている実例として、シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのヒシャムディン国防相は、欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票と、米大統領選でのトランプ氏当選を挙げています。

 リー氏は20日、地元メディア・研究機関主催の会合で、この二つが「民衆が感じている不満を明確に示した」と指摘。他国との共同利益を追求しながら自国の問題を解決するという従来の流れが変わったと強調しました。

 トランプ氏の「米国第一」を念頭に、「全ての国が『自分は他人より強い、自分こそが大事だ』という態度を取り始めたら、結局はみんなが敗者になる」と警告しました。

両国の友人に

 米中関係について「共通利益の側面と競合関係の側面がある」と指摘。「(東南アジア諸国が)米中両国の友人であることが最善であり、それによって経済、政治、外交、安保の面で貢献できる」と強調しました。

 ヒシャムディン氏は23日、英研究所がシンガポールで開催したフォーラムで講演し、「西側諸国で広がっている有毒なポピュリズム感情は『自国を再び偉大にする』という行動になり、大国間の対立をもたらす」と指摘しました。

 「われわれは明らかに中国か米国か、どちらかを選ぶよう強いられつつある。しかし、これは異なる文化、宗教、制度が共存してきたアジア独特の伝統に逆行する」と批判。南シナ海をめぐる対立にも言及して、「こうした紛争は外交を通じて、ASEANのような多国間機構を通じて解決できる。『勝つか、負けるか』という古くさい子どもじみた考えを乗り越えるべきだ」と呼び掛けました。

地域のために

 ASEAN議長国フィリピンのロレンザーナ国防相は同じフォーラムで、「米国、中国、日本、ロシア、インドの首脳を迎える立場から、はっきり言いたい。ASEANを自分たちの勝負の道具に使ってはならない」と警告。ASEANを中心にさまざまな枠組みを通じた大国の相互関与が、「地域紛争や不安定ではなく、地域のためになる実り多い取り組みになる」と強調しました。


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