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2017年2月11日(土)

アップル 日本で税逃れ

本紙試算 15年度で2000億円にも

米国以外での負担率 11年間1〜6%

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 スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などを販売する米国企業アップルが、日本でも長年にわたり大規模な税逃れを行っている疑いが濃厚になりました。アップルの年次報告書のデータから本紙が試算したところ、同社は2005〜15年度の11年間、米国を除く全世界で得た利益に対し、わずか1〜6%の税金しか負担していませんでした(グラフ)。日本での販売利益もこの中に含まれ、同社が15年度に日本で逃れた税金は2000億円前後に達する可能性があります。


図

 アップルは07年に初めてアイフォーンを発売して以来、米国以外の外国での利益を急増させました。しかし外国での税負担率は逆に低落。10年度には1・2%に落ち込みました。アップルの税逃れが欧米で批判を浴びた13年度以降、徐々に上昇したものの、それでも6・2%(15年度)という低水準です。

 アップルの主要な市場である日本や欧州諸国、中国などの大多数は法人実効税率が20〜30%以上であり、1〜6%という低さは異常です。アップルの税逃れを調べた米国上院常設調査委員会の報告書(13年5月)によれば、南北アメリカ大陸を除く諸外国で得たアップルの利益はアイルランドに移され、複雑な税逃れ工作でほぼ無税となっています。

 日本ではアイフォーン・シリーズが携帯電話の出荷台数の4割を占めます(16年度上期、MM総研調べ)。こうした日本での販売利益も大部分がアイルランドに流出し続けていると考えられます。

 一方、南北アメリカ大陸で得たアップルの利益は米国本社に移され、米国で課税されています。本紙の試算では米国でのアップルの税負担率(09〜11年度)は20%を超えます。

 アップル本社とアップル・ジャパンは本紙の問い合わせに回答しませんでした。(解説)


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