2017年3月10日(金)
ヤマトに是正勧告 神奈川・労基署
三六協定違反の長時間労働
田村議員、国会で追及
宅配便業界最大手のヤマト運輸(本社・東京都中央区)が、残業時間の上限を取り決めた「三六協定」やトラック運転者の改善基準告示を上回る違法な長時間労働を行っていたとして、横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かりました。
大企業による違法残業が同時期に複数箇所で発覚した場合、厚労省は社名公表など厳しい対応をすることになっており、ヤマトは複数の勧告を受ける前に改善に乗り出したとみられます。
是正勧告は、神奈川県内で働く30代のトラック運転者2人が2016年6月に神奈川労連に相談し申告した事案によるもの。昨年12月に出されました。昨年8月には労働時間を過少申告するサービス残業の是正勧告が出ており、これに続くものです。
ヤマトの三六協定(16年2月締結)では、トラック乗務担当者の残業時間は1カ月95時間。2人の記録では、2年間で月100時間を超える残業が4〜5回ありました。また、休憩含め1日最長16時間などのトラック運転者の改善基準告示も超過しました。
ヤマト本社は、本紙の問い合わせに対し、「労使で改善に取り組んでいる」と答えました。会社は2月に「働き方改革室」を設置。17春闘でヤマト運輸労働組合(運輸労連、連合加盟)から荷受量抑制について要求が出されています。
日本共産党の田村智子参院議員は1月31日、国会でサービス残業や過労死労災認定を繰り返すヤマトを事例にあげ、「本社に対する厳しい対処が必要だ」と追及。安倍首相は、「本社に入って徹底的に調査しなければならない」と答えています。
(田代正則)