2017年3月29日(水)
核兵器禁止条約「国連会議」
日本政府「不参加」表明
日本政府は28日、核兵器禁止条約を交渉する国連会議(27〜31日)への不参加を表明しました。「唯一の被爆国」として「核兵器のない世界」を目指すとしながら、核兵器を史上初めて違法化する条約交渉に加わらないことに対して、被爆者や各国から強い非難の声が上がるのは必至です。
日本の高見沢将林軍縮大使は初日の国連会議での演説で、「核軍縮を進めていくには核兵器国の関与が不可欠だ」と表明。核兵器国と非核兵器国双方を巻き込んだ現実的措置を積み上げることが重要だと主張しました。
今回の核兵器禁止条約について、「北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとも思えない」などとした上で、「わが国として交渉会議に参加することは困難と言わざるを得ない」と述べました。
岸田文雄外相は28日の記者会見で、「日本の考えを述べた上で、今後この交渉に参加しないことにした」と説明。被爆者らが日本政府に今回の会議参加と条約成立に尽力するよう求めていることの受け止めを問われ、「『核兵器のない世界』を目指す目標は政府も被爆者と共有している」としながらも、核兵器国が参加しない今回の会議が「現実に資さないのみならず、核兵器国と非核兵器国の対立を一層深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と語りました。