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2017年3月30日(木)

辺野古新基地 海底地盤に問題か

“調査項目”ひた隠し

防衛省、大型調査船投入も…

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 日米両政府は「新基地建設ノー」という沖縄県民の総意を無視して名護市の辺野古崎・大浦湾の埋め立てによる米軍新基地建設を進めています。海底調査で投入した最新の大型掘削調査船の動向に県民の厳しい目が注がれています。

 (山本眞直)


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(写真)大浦湾で海底ボーリング調査中の掘削調査船「ポセイドン」の航跡(ブルーの点)=名護市(市民団体提供)

 大型掘削調査船は、海洋土木の建設会社(マリコン)、深田サルベージ建設(本社・大阪市)が所有する多目的作業船「ポセイドン」(4015トン)。仲井真弘多前知事による新基地建設のための「公有水面埋め立て承認」を「瑕疵(かし)なし」とした最高裁判決を受け、翁長雄志知事は「承認取り消し」を取り消し。県との「和解」で「中止」してきた海上作業再開の“切り札”として官邸主導で投入されたものです。2月5日から大浦湾の海底調査作業を続けています。

 当初計画(2014年)の24地点のうち残る1地点のほか、新たに13地点の掘削調査が追加されています。環境NGOから「この時期に新たな追加調査はありえない」など疑問が出されています。

地盤工事必要か

 防衛省交渉(3日)で沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「マスコミで『海底地盤改良へ県に変更申請必要』と報じられている。追加調査は埋め立て護岸工事の基礎地盤に何らかの問題が見つかり、地盤改良工事で必要になったのか」とただしました。

 防衛省は「基礎地盤に問題があったわけではない。護岸工事を安全に履行するためだ」と答えました。

 現場海域は、辺野古崎の南側がサンゴ礁(リーフ)などによる遠浅の沿岸なのに対し、北側の大浦湾は水深が50メートルを超え、沿岸部分も険しく複雑な地形が続きます。沖縄防衛局はケーソンを設置する護岸建設の実施設計が遅れ、県との事前協議に入れないでいます。

 政府は昨年、県との和解による工事中止の直前に、防衛省が埋め立て工事に不慣れなため、精通した国交省の技術参事官、公共事業企画調整課長などの幹部ら9人を出向させました。

本紙に回答拒否

 海上作業に必要な前知事が認めた岩礁破砕申請許可は、3月末で期限が切れます。翁長知事は「再申請が必要」として、沖縄防衛局に対しボーリング調査や汚濁防止膜設置の中止、撤去を要求。25日、国が工事を継続すれば「(埋め立て承認を)必ず撤回する」と宣言しました。

 追加ボーリング調査について「ヘリ基地建設反対協議会」は「埋め立て区域周辺だけでなく、多様な調査を行っている。海底の地質に構造上深刻な問題があると指摘されているが、調査結果は公表されていない。計画の大幅な変更なら後出しじゃんけんだ。岩礁破砕許可の申請も出さず、工事が強行されようとしている」と警鐘を鳴らしています。

 本紙は、ポセイドンによる追加ボーリング調査内容の公表を沖縄防衛局に求めました。

 沖縄防衛局は15日、「ケーソン新設工事の2次下請けであり、当局と直接の契約関係にない深田サルベージ(ポセイドン)が実施している調査項目などに答えることは差し控える」と回答を拒否しています。


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