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2017年4月8日(土)

草の根の運動こそ「核なき世界」への力

「核兵器禁止条約の国連会議」に参加して 志位委員長が報告

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 日本共産党は7日、党本部大会議場で、3月27〜31日にニューヨークの国連本部で開催された「核兵器禁止条約の国連会議(第1会期)」の報告会を開きました。同会議に、「核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)」の一員として公式に参加した日本共産党代表団の団長を務めた志位和夫委員長が、(1)「国連会議」の画期的、歴史的意義(2)党代表団の活動(3)世界の躍動する姿、野党外交の新たなステージ―という三つの角度から報告しました。報告会は党内通信、インターネット中継で全国で視聴されました。


「国連会議」の画期的、歴史的意義

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(写真)「核兵器禁止条約の国連会議」報告会で志位和夫委員長の話を聞く人たち=7日、党本部

 志位氏は、今回の「国連会議」の画期的、歴史的意義を3点にわたってのべました。

 第一は、戦後の歴史で初めて、核兵器禁止条約締結に向けた多国間の国際交渉が開始されたということです。

 核兵器の非人道性が国際社会の共通認識になった、にもかかわらず核保有大国が核兵器廃絶に背を向けている―ならば核兵器禁止条約にむけて一歩踏み出そう。この「二つの要素」が重なって今回の「国連会議」を生み出しました。

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(写真)報告する志位和夫委員長=7日、党本部

 第二は、各国政府と市民社会によって構成された会議となったことです。

 会議では、市民社会代表者の演説の枠が設けられ、各国政府代表が真剣に耳を傾けました。とりわけ被爆者、世界の核実験被害者の証言は、会議参加者に多大な感銘を与え、会議の道徳的・倫理的な方向性を示すものとなりました。

 第三は、「国連会議」をめぐって、世界の本流と逆流が鮮やかに浮き彫りになったということです。

 米国のヘイリー国連大使は、「核兵器禁止条約は非現実的だ」と攻撃しましたが、これは彼らの危機感、焦燥感の表れにほかなりません。日本政府は、会議に出席しながら「交渉には参加しない」と表明。出席せざるをえなかったのは内外世論に追い詰められた結果であると同時に、不参加表明は多くの参加国、参加者の批判を招きました。

 志位氏は、日本政府が唯一の戦争被爆国の政府でありながら逆流のお先棒を担いだことと対照的に、日本共産党が多くの政府代表、市民社会代表とともに本流のなかで役割を果たしたことの重要性を力説しました。

党代表団の活動

 日本共産党代表団の活動はどうか。志位氏は、キム・ウォンス国連軍縮問題担当上級代表、エレン・ホワイト「国連会議」議長との会談で手渡した党代表団の「要請文」、国連に提出し作業文書として受理された「文書発言」、国連会議での演説(ステートメント)の内容を紹介しながら、会議成功に向けて行った「国連会議」への働きかけ、38の国と機関との懇談・要請、各国のNGO、PNNDとの協力関係づくりなど、党代表団の多面的な活動を詳しく報告しました。

 このなかで、核兵器禁止条約の交渉がいよいよ開始されるという新しい段階を踏まえ要請のなかで強調した点を説明。それは「核保有国の参加を追求しつつ、かりに最初は核保有国の参加が得られなかったとしても、賛成する諸国の政府によって核兵器禁止条約――核兵器を禁止する法的拘束力のある協定を早期に締結すること。今回の『国連会議』で、核兵器禁止条約の早期締結に向けた国際的合意を達成すること」というものです。

 「文書発言」では、この要請を、条約論の角度から整理するとともに、核兵器の「禁止」から「廃絶」へと進む展望を明らかにしたとのべ、そのポイントを5点にわたって詳しく説明しました。

 志位氏は、党代表団の活動が会議の任務とかみあい、会議参加者の立場と響きあうものとなり、成功に向けた一つの貢献となったこと、唯一の戦争被爆国である日本の政党がこうした要請をしていることに、多くの国が特別の意義と激励を見いだしていることを強調。「この画期的な動きを実らせるかどうか。それを決めるのは世界の草の根からの世論と運動です」として、被爆国・日本から、「ヒバクシャ国際署名」を広げに広げ、今年を「核兵器のない世界」への第一歩を踏み出したといえる年にしていくために力をつくそうとよびかけました。

野党外交の新しいステージ

 最後に志位氏は、全体をふりかえって感じた二つの点についてのべました。

 第一は、世界は、逆流や複雑さをはらみながらも、着実に平和と進歩への歩みを刻んでいるということです。

 「国際会議」初日、米国を先頭にしたわずか20カ国程度の国連大使が「核兵器禁止条約反対」を議場外で叫ぶなか、世界の多数の国ぐにと市民社会が参加して、国連総会議場で歴史的会議が開始されました。その光景は、世界の本流と逆流の姿を鮮やかに示しました。

 この「国連会議」でとくに主導的な役割を発揮したのは、メキシコ、オーストリア、コスタリカ、アイルランド、ブラジルなど発達した資本主義国、新興国、途上国などの諸国です。

 志位氏は、こうした国ぐにが主導した「国連会議」が、核兵器問題という国際政治の根本問題で、P5――核保有大国の攻撃をはねかえして、会議を成功に導くために堂々と大活躍していることは、21世紀の世界の姿を示すものだと強調。「それは一言でいえば国の大小で序列のない世界です。いまの世界で大切なのは、国の大小でもなければ、経済力の大小でもなければ、ましてや軍事力の大小ではない。世界の道理にかなった主張をしている国ならば、小さな国でも世界から尊敬され、大きな力を発揮します。道理にかなっていない国、他国の言いなりになっているような国は、何を言っても相手にされません」とのべ、「世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が到来しています」と力説しました。

 第二は、日本共産党の「国連会議」への参加が党の野党外交のステージとスケールを一段と高めるものとなったことです。

 これまでの日本共産党の野党外交は、他国の政府との関係では個々の関係はありましたが、国連という世界で最も重要な多国間の国際会議に、公式に参加し、「演説」をするというのは、初めての体験となりました。

 志位氏は、「『国連会議』は、今日の世界の希望ある姿、躍動する姿を私たちの目に焼き付けました。そして私たちはこの会議への参加を通じて、たくさんの新しい道、新しい友人、新しい財産をつくった思いです。この成果を深い確信にして、この日本での平和と進歩をめざすたたかい、新しい政治を築くたたかいをさらに発展させようではありませんか」と呼びかけると、大きな拍手がおきました。


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