2017年4月14日(金)
種子法廃止は禍根残す
参考人質疑 紙議員は反対討論
参院委
|
参院農林水産委員会は13日、主要農作物種子法と農業機械化促進法の廃止法案を自民、公明などの賛成多数で可決しました。採決に先立つ参考人質疑で龍谷大学経済学部の西川芳昭教授は、「廃止すれば大きな禍根を残す」と反対を表明。日本共産党の紙智子議員が反対討論しました。
西川氏は、「種子は公共物であり、特定企業の所有物ではない」とし、種子法廃止で種子の企業保有がすすめば共生社会が損なわれる可能性があると指摘。国や都道府県に種子の生産・普及を義務付けている種子法は、人権としてすべての農家に種子にアクセスする権利を保障する世界でも先進的な法律だと強調しました。
圧倒的な資金や技術力を持つ多国籍企業の行動を抑えるため、国が一定の関与をしなければ本当の意味での自由な取引はできないとし、「企業の暴走を制御するのが国の役割だ」と訴えました。
秋田県の佐藤博農林水産部長は、現場で種子の生産・流通を担ってきた経験から「良質な種子の安定供給は農業生産の根幹」だと訴え、「種子法廃止は唐突感が否めない」との懸念を示しました。県下の農業組合などから、「国や県は手を引くのか」「これからどうなるんだ」という不安の声が寄せられたことを紹介しました。
紙氏は、十分な資料も出されず、参考人から慎重審議が求められたにもかかわらず、委員長職権で審議を打ち切ったことに抗議。そのうえで反対討論では、種子法によって守られてきた「高い安全性と公共性を持つ種子の生産・普及体制が崩壊する」と強調。外資系多国籍企業に種子が独占される恐れがあると批判しました。