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2017年4月24日(月)

NHK日曜討論 笠井政策委員長の発言

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 日本共産党の笠井亮政策委員長は23日のNHK「日曜討論」で、北朝鮮の核・ミサイル開発とトランプ米政権の対応、日米経済対話、共謀罪法案について、各党の政策責任者と議論しました。


北朝鮮の核・ミサイル開発

外交徹してこそ命と安心守れる

 北朝鮮の核・ミサイル開発について、自民党の茂木敏充政調会長は「新たな段階の脅威だ」、公明党の石田祝稔政調会長は「リアルな危険だ」などと述べました。民進党の大串博志政調会長は「日本は国際社会とともに対話と圧力の考えをとって、軍事的エスカレーション(段階的な拡大)で偶発的な衝突が起こらないようにすべきだ」と警告しました。

 笠井氏は、国際平和に反し国連安保理決議などにも反すると批判した上で、問題は「どうやって止めるか」だと提起。「国際社会と協調して北朝鮮への経済制裁を厳格に実施、強化する。外交交渉に踏み切って非核化を迫っていく。外交で解決できなかったら日本国民の命と安全が守れない。まさに政治が問われている」と強調しました。

 米国のトランプ大統領が「全ての選択肢がテーブルの上にある」として、原子力空母カール・ビンソン打撃群を北朝鮮近海へ向かわせたことに、茂木氏は「断固たる姿勢を評価する」と述べ、石田氏も「対話のための対話ではだめだ」と軍事的圧力を当然視しました。大串氏は、国際社会での話し合いを求めました。

 笠井氏は「『全ての選択肢』という名の下に、軍事的圧力と威嚇を強めるのは極めて危険だ」と指摘。韓国も先制攻撃に反対していることを紹介し、「国際社会が一致して対話を通じて平和的、包括的な解決を図ることが大事だ」と強調しました。

 茂木氏は「米国の強い軍事力を背景に暴挙を止めるアプローチは必要だ」などと軍事対応に固執しました。

 日本が国際社会にどう働きかけるのかと問われ、笠井氏は「中国・ロシアを含め、6カ国協議参加国への働きかけは非常に大事だ」と指摘。「特に中国がどれだけ実効ある経済制裁をやるかはポイントになっている」と述べました。一方、安倍首相や与党が軍事的選択肢を容認していることについて「米国の対応を評価することは重大だ。米国に対して軍事的選択肢は取るなとはっきり言うべきだ。少なくとも支持・歓迎する態度は改めるべきだ」と訴えました。

 国民をどう守るかが話題になりました。

 笠井氏は「米国がシリアでやったような先制的な行動、軍事行動という選択肢を取れば、韓国、日本を巻き込んで深刻な武力紛争に発展する。おびただしい犠牲が出るということになる」と強調。「そういうことを絶対に起こさせない。軍事的選択肢を取るんじゃなくて、外交に徹してこそ、本当に国民の命と安心を守れる。憲法9条を持つ日本だから、そういう態度でどういう努力をするか、国際社会に向き合うかが問われている」と述べました。

 茂木氏は自治体と連携して防災無線などで安全を守ると述べ、石田氏は危機があるという前提で手を打つべきだと主張。日本維新の会の下地幹郎政調会長は「もう危機にある」として、政府がミサイル対処方法を示すべきだと危機感をあおりました。

日米経済対話

内政干渉される新たな枠組みに

 麻生太郎財務相とペンス米副大統領による日米経済対話(18日)をどう見るかが問われました。

 大串氏は、トランプ政権の体制が整っていないとして、急がず体制を見極めるべきだと主張。茂木氏は「日米協力の時代に入った」と評価し、石田氏は「ウィンウィン(相互利益)の関係だ」と持ち上げました。

 笠井氏は「日米経済対話は、日本に対する新たな経済的な内政干渉の枠組みになるとの危惧が現実になりつつある」と指摘。日米関係が摩擦から協力に代わるというのは「最初から大幅譲歩の姿勢だ。農産物、自動車、保険、金融などあらゆる分野で迫られる非常に危険な交渉になる」と述べました。

 また「一番の問題は、安倍総理の訪米でトランプ政権の経済政策に協力するという手土産を持っていったことだ。こういう自主性のないことではだめだ。国民生活と経済主権を米国と多国籍企業に売り渡すような不公正な交渉はやめて、暮らし・経済主権を大事にする、お互いに尊重するという貿易投資のルールをちゃんとつくるべきだ」と主張しました。

「共謀罪」法案

「三つの破綻」が審議で明らかに

 後半国会の最大の焦点の一つとなっている「共謀罪」法案について議論になりました。

 大串氏は、国際組織犯罪防止条約を締結するためという政府の説明に対し「187カ国の締結国中、留保をつけている国が50カ国ある」として個別に必要な手当てをすれば締結できると反論。茂木氏は「3年後の東京オリンピックに向けてテロ対策は緊急の課題だ」と述べました。

 笠井氏は、審議の中で「三つの破綻」が明らかになったと指摘しました。

 一つ目は「テロ対策ではない」こと。「政府の原案にテロという言葉はそもそもなかった。今出ている法案にも、1条の目的にテロという言葉はありません。277の対象犯罪のどれがテロ関連か不明です」

 二つ目は、「内心を処罰する」こと。「計画、準備行為が処罰対象ということですが、桜並木を歩いている人が花見なのか犯罪の下見なのかと。金田大臣は“違いは目的だ、しっかり調べる”と答弁しました。まさに内心に入ってくる。憲法19条(思想・良心の自由)に反する」

 三つ目は、一般人でも捜査機関の判断で監視対象になることです。

 笠井氏は「政府が、一瞬で組織的犯罪者集団になるかもしれない、だからNPO法人やサークル、あるいは草野球チームでも対象になりうると認めました。判断するのは捜査機関です。盗聴、密告、冤罪(えんざい)がはびこって、物言えぬ監視社会になるということで過去3回廃案になりました。まさに共謀罪そのもの。こんな法案をつくってはいけない」と批判しました。

 大串氏は、21日の衆院法務委員会で盛山正仁法務副大臣が一般市民も対象となると認め、準備行為が行われる前から捜査することも明らかになったとして「このような共謀罪法案は大きな問題があり、成立させるべきではない」と述べました。

 茂木氏は「準備行為とは、資金の調達や武器・弾薬、現場の下見などだ」と述べ、石田氏も「普通の方は犯罪と無縁だ」と反発しました。

 笠井氏は「花見に行ったときに、それが犯罪の計画なのか、準備行為なのか、分からないから調べるという話。系統的にとなったら監視社会になる」と批判。また金田勝年法相が、政府参考人の答弁をそのまま繰り返すことを「端的に言って審議つぶし」と述べ、「徹底審議した上で廃案に」と主張しました。


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